興国高校(大阪市天王寺区)は15日、部員数人による飲酒があったサッカー部について、調査した結果、他の部員には飲酒の事実…

 興国高校(大阪市天王寺区)は15日、部員数人による飲酒があったサッカー部について、調査した結果、他の部員には飲酒の事実がなかったとして、大阪大会で優勝し、6年ぶり2回目の出場権を獲得した全国高校選手権(12月28日開幕)に出場すると発表した。

 同校によると、酒を飲んだ部員は全国選手権のメンバーから外し、試合に出場させない。17日には大会の組み合わせ抽選が予定されている。

 部員による飲酒は大阪大会決勝翌日の2日夜にあり、そのうち1人が府内の路上で意識を失い、救急搬送された。命には別条がなかった。飲酒を認めた部員は停学と部活動禁止の処分となったが、他の部員は練習を続けながら、学校側の調査を受けていた。

 同校は「『大阪代表としてふさわしくない』といったご意見があることは承知しています。しかし、飲酒に関与していない部員までもが努力でつかみ取った全国大会への出場を絶たれることは、今後の人生に深い傷痕を残しかねないと考えました。たとえ批判の目にさらされながらであっても、前を向いてプレーする経験の方が、今後の人格形成に寄与すると考えた次第です」と理由を説明した上で、「もちろん、出場の決断には多くの批判があろうかと思います。この決断を行ったのは私ども学校運営者です。批判はすべて私ども学校運営者が受け止めます。私どもの判断に従って出場する生徒たちに対する誹謗(ひぼう)中傷はどうかお控えいただきますようお願いいたします」とした。

 また、今後に向けては「本校のサッカー部について、300人近い部員を十分に管理できていないことが本件の原因ではないかといったご指摘もありました。本校としては複数のチームに分けて指導者・トレーナーらも20人以上配置するなど、できる限りの管理態勢を整えてきたつもりでしたが、本件の発生を受けて、私生活に関する指導も含めた教育態勢全般について改めて見直して参りたいと考えております。この度は多くの方々にご迷惑をおかけしましたことを深くおわび申し上げます」などとしている。(渋谷正章)