◇国内女子◇伊藤園レディス 2日目(15日)◇グレートアイランドC(千葉)◇6769yd(パー72)◇晴れ(観衆505…
◇国内女子◇伊藤園レディス 2日目(15日)◇グレートアイランドC(千葉)◇6769yd(パー72)◇晴れ(観衆5054人)
木村彩子に手ごたえはあった。「すごくいい球でした」。フロントエッジから38ydも入った左奥段のピンまで実測173yd。フォローの風を踏まえ、6番アイアンと迷った末に「グリーンが(ソフトで)止まるから」と5番ユーティリティでカット目に打った球がカップすぐ奥に落ち、跳ね戻って消えた。ただ、ティイングエリアから逆光でもあり、見えなかった。「入った!」とギャラリーの歓声が聞こえ、一瞬遅れて万歳ポーズ。プロ11年目、ツアーで初のホールインワンだった。
しかし、まだ不安だった。「昨日の菅沼菜々ちゃんのこともあったんで」。初日の7番(パー3)でカップ際のグリーンにめり込み、ぬか喜びに終わった菅沼の“幻のエース”が頭をよぎった。
ピッチマークを直す必要もありパターを持って、グリーンへ。ピンに近づくとカップの左奥約10cmに弾痕がある。「ユーティリティだったし、戻って入る?」。ドキドキしながらカップ奥をのぞき、球を確認。「“決勝ラウンドのみ”って言葉がないかも確認しました」。大会期間中、達成者全員がもらえる賞金50万円にも間違いはなかった。
エースと2バーディ、1ボギーの「69」。首位スタートから2位に踏みとどまったが、最終18番の3パット・ボギーが何とも悔しい。パーなら4週前、今季初&ツアー2勝目を飾った「富士通レディース」以来7度目の最終日最終組。しかも、同世代で首位の永峰咲希と同組だった。
今季のシーズン世代別最多5勝を挙げている1995年度生まれであることが、刺激で誇りでもある。「咲希ちゃんと同組で回りたかったです」と嘆きつつ「でも、逆にプラスに考えます。1打差を追って、最終組の前から出る方が自分のゴルフに集中できるし」。自身初の年間複数回優勝となれば、2022年「ニッポンハムレディス」の西村優菜以来22人目の“ホールインワンを達成した試合の優勝者”が誕生する。(千葉県長南町/加藤裕一)