◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(15日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70…

日本とアジアの両ツアー年間王者戴冠の可能性がある比嘉一貴

◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(15日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇晴れ(観衆1万1611人)

比嘉一貴はアジアンツアーの年間ポイントレースで現在トップを走る。日本勢としては2011年に2位(当時のレースは賞金ランキング)に入った平塚哲二をしのぐ、初の年間王者のタイトル獲得が目前。2022年の日本ツアー賞金王に続く称号が手に入りそうなところだが、シーズン終了間際に思わぬ長旅を強いられることになった…。

アジアで今季2勝した比嘉のポイントは1951.2ptで、2位のスコット・ビンセント(ジンバブエ)に157.27pt差をつけている。3位のミゲル・タブエナ(フィリピン)とは648.36pt差あり、年間王者の行方は残り3試合で実質2人に絞られている状況だ。次週の高額賞金&ポイント大会「PIFサウジインターナショナル」が大一番。数日前まではサウジアラビアのリヤドGCで勝負を決めて残り試合を欠場し、日本ツアーに力を注ぐつもりでいた。

次週はサウジアラビアで、まずインターナショナルシリーズを戦う

ところが、今月の初めにツアーから思わぬ知らせが届いた。12月10日(水)開幕のシーズン最終戦「サウジオープンby PIF」(サウジアラビア・ディラブG&CC)の分類が「ティア2」から、インターナショナルシリーズと同格の「ティア3」に変更。賞金総額は100万ドル(約1億5454万円)のまま、かかるポイントがいきなり2倍に変更された。

複数の選手に逆転の可能性がひろがった形だが、追われる立場としては、たまったもんじゃない。まるで、クイズ番組の最終問題みたいな仕打ちに遠い目をするしかなかった。

7位で御殿場の最終日へ。ラストスパートをかける

後続のビンセントに「最終戦、どうするの?」と探りを入れてみたところ、返答は“Up to you(キミ次第)”…。「じゃあ、行くしかないじゃん!」。4週間で日本とサウジアラビアの2往復を強いられることになった。

嘆きたくなるシチュエーションにも文句を言ってはいられない。「その中で勝ち抜かないといけない。あいだの日本ツアー(カシオワールドオープン、日本シリーズJTカップ)で調子を落とさず良い状態を保って頑張りたいです」。日本ツアーでは現在賞金ランク5位。タフすぎる戦いの先には、同一年度に日亜で王座に立つチャンスだってあるのだ。(静岡県御殿場市/桂川洋一)