◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(15日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー7…
◇国内男子◇三井住友VISA太平洋マスターズ 3日目(15日)◇太平洋クラブ御殿場コース(静岡)◇7262yd(パー70)◇晴れ(観衆1万1611人)
第1打を左サイドに曲げた難関6番で、木下稜介はダブルボギーを叩いた。打ちひしがれて上がった続く7番(パー3)、8Iで左からの風にのせたフェードボールは、カップの中に吸い込まれるスーパーショットになった。試合では9月の「パナソニックオープン」最終日に続く今季2回目、プライベートラウンドを含めると3回目のホールインワンを達成した。
直前のダボを帳消しにする「超バウンスバック」の離れ業で再びリズムに乗り、後半インは3バーディを奪った。7位スタートから「66」で回り、通算9アンダーの5位に浮上。首位を独走する金子駆大との6ストローク差も、「ショットに関してはことし一番の手応え」を感じているだけに逆転の可能性を捨てられない。
昨年の「ミズノオープン」以来となるツアー通算4勝目を狙うシーズンは、未勝利のまま残り4試合になった。ショットの復調気配は、数日前のインスタグラムのダイレクトメッセージがきっかけ。スイングプレーンが安定しない最近の悩みを解消すべく、「顔見知り、あいさつ程度」の仲だった日本女子ツアー7勝の森田理香子のスイングをSNSで眺め、思い切って直接聞いてみた。
「僕は右ひじを締めあげる感覚でクラブを上げている。森田さんはどうしてますか?」――。返ってきたのは「わきを締める意識は持ったことがない」との答え。木下にとって、その考え方は「衝撃的」だったという。
「確かに森田さんは(右わきを)ワイドにして上げる感じ。それでも、(ダウンスイングで)完ぺきにプレーンに乗る。どうやっているのかなと思ってたんですよね。でも、『右わきを締めたら手元は浮くし、逆に良くない』というような感じで教えてもらって」。賞金ランキング27位で迎えた終盤戦に光が差し込んだ。
ホールインワン賞として三井住友カードから「Vポイント」10万ポイントを贈呈された。使い道を聞かれ「貯金して、コンビニとかでコツコツ使いたい…」。先輩プロへのお礼も忘れていない、はずだ。(静岡県御殿場市/桂川洋一)