ラリージャパンフィニッシュ直後に、今季いっぱいでWRCのフル参戦から退くことを電撃発表した、オィット・タナック。ヒョンデ…
ラリージャパンフィニッシュ直後に、今季いっぱいでWRCのフル参戦から退くことを電撃発表した、オィット・タナック。ヒョンデは、後任のドライバーを近日中に発表するとしている。
現在38歳のタナックは、のべ5シーズンにわたりヒョンデをドライブしており、2026年もヒョンデからの参戦をオファーされていたが、家族と過ごす時間に重点を置き、母国エストニアで様々な事業に取り組むことを選択した。
タナックは、2022年末にチームメイトのティエリー・ヌービルとの関係が悪化したことが一因となり、チームを離脱。23年は古巣のMスポーツ・フォードから参戦したが、トラブル続きのシーズンとなり、24年にヒョンデに戻った。この年は2勝を挙げ、今季もWRCアクロポリスで勝利をもぎ獲った。
ラリージャパンのフィニッシュから数時間後、タナックの発表が行われる直前に、ヒョンデのスポーティングディレクターに就任したばかりのアンドリュー・ウィートリーは「これはオィットの選択。オィットが来年も残りたいのであれば、我々は大歓迎だった」と語っている。
「でも、彼が来年は残らないことを選ぶのであれば、我々もBプラン、Cプランを用意していた。もちろん、準備をしておかなければならないからね。最終戦サウジアラビア(11月27日〜30日)がフィニッシュしてから、10日後にはテストを開始するので、今後の進路がどうなるかの見通しを立てておかなければならない」
タナックは2009年にWRCデビューを飾り、ここまで通算22勝。2019年にはタイトルも獲得している。そのタナックは「これは、完全なお別れではない。将来のためにリセットして、充電して、あらためて集中するための機会だ」と語っている。
「ヒョンデとともに成し遂げたことのすべてを誇りに思うし、チームが示してくれた信頼と支援に深く感謝している。今でもラリーを深く愛しているし、これからもなんらかのかたちで関わっていくつもりだ」
なお、長年タナックのコ・ドライバーを務めてきたマルティン・ヤルベオヤも、タナック同様にフル参戦からは引退する見込みだ。
(Graham Lister)