◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 2日目(14日)◇ペリカンGC (フロリダ州)…
◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 2日目(14日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)
予選2日間を終え、西村優菜は目いっぱい背伸びして同組だったチョン・インジ(韓国)とハグを交わした。満面の笑みだったのは、大好きで尊敬するプレーヤーとのラウンドに充実感でいっぱいだったから…ではないだろう。
初日76位から8バーディ、2ボギーの「64」をマークし、通算4アンダー15位にジャンプアップ。2023年「ウォルマート NW アーカンソー選手権」(2日目/パー71)、「TOTOジャパンクラシック」(初日/パー72)と並ぶ米ツアー自己ベストだった。2年前が51位、昨年は予選落ちと苦しめられてきたペリカンGCでの大爆発に「このコースで出ると思ってなかったから、自分が一番ビックリ」と笑い、つぶらな目をさらに見開いた。
肌寒い早朝のスタートで身体の動きも鈍かった初日は2オーバー「72」。中島敏雅コーチに電話をかけると、フィニッシュまで振り切れていないことを指摘された。「ビビらずに振り切る」というシンプルなポイントを意識するだけで、スタート前の練習場から感触が良かったという。
フィーリングが良かった分、後半3番(パー3)でボギーを喫しても切り替えられる。続く4番から怒とうの4連続バーディ。最終9番(パー3)も下からミドルパットを流し込むバーディで締めくくったが、むしろ手応えを感じたのは、その間でパーだった8番のセカンドかもしれない。
429ydと距離もあるパー4で、西村にとっては2打目で5Wを握らされるタフなホール。手前から奥に向かう傾斜がきいているグリーンで球を止めにいくため、少し高めのフェードボールを打った。ピン左から8mほどのバーディパットはカップに蹴られても、イメージ通りのセカンドを打てたことがうれしい。
持ち球のドローだけでなく、特にグリーンを狙うショットではフェードも駆使して高さや距離感を自在に操りながら攻めていくのが本来のスタイル。しかし、ショットの不振に苦しんできた今季は“ノーマル”を取り戻すことに必死で、とても応用にトライする余裕がない時期も続いた。「それ(フェード)が打てるライだったっていうのもあるんですけど、だいぶ打ちたい球が打てるようになってきたのかなっていう感触がありました」とうなずいた。
年間ポイントランキング127位から、予選通過によって101~125位の「カテゴリー16」確保に前進した。さらに上、来季一定の出場機会が望める81~100位までの「カテゴリー11」入りにはトップ5に近い好成績が求められる状況で、本人はあくまで予選会(Qシリーズ)のファイナルステージ(12月4日~/アラバマ州マグノリアグローブGC)を念頭に置いたスタンスを貫く。「一番は予選会に向けて、どうやっていいゴルフを持っていくか」。首位と5打差の好位置で迎える週末も、ひたすら一打一打と丁寧に向き合う。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)