トヨタ・ガズーレーシング(TGR)は11月10日に発表した2026年のTGR WRCチャレンジプログラム活動概要のなかで…

トヨタ・ガズーレーシング(TGR)は11月10日に発表した2026年のTGR WRCチャレンジプログラム活動概要のなかで、プログラムとして初めて日本人以外のドライバーとして、エストニアのジャスパー・バヘルの加入を明かした。2015年の立ち上げ以来、勝田貴元をはじめ、これまでの育成ドライバーはすべて日本人を選んできたが、2026年はそこから一歩踏み出すかたちだ。

TGRは、今年の初めにフィンランドでグローバルセレクションを行っており、バヘルはここで、フィンランドの新生、トォッカ・カウッピネンを退けてプログラム選出を勝ち獲ったと見られている。カウッピネンは、今季のフィンランド選手権アークティック・ラップランド・ラリーで優勝を飾り、WRCスウェーデンにはトヨタGRヤリス・ラリー2で参戦。その後、バヘルとともにランチア・イプシロン・ラリー4HFでジュニアERCの参戦ドライバーに起用されている若手成長株だ。

チャレンジプログラムに選出された18歳のバヘルは、15歳だった2022年にエストニアとラトビアの両方でジュニアタイトルを獲得。23年にはエストニアのジュニアタイトルを連覇し、24年にはジュニアERCの参戦も開始した。25年は5月のラリーエルバ(イタリア)からイプシロン・ラリー4HFで参戦しており、ラリーディローマ・キャピターレでは、ジュニアERC2位でフィニッシュ。一方で、深刻な資金不足のため、25年の大会出場資金をクラウドファンディングで調達していた。
(Graham Lister)