◇国内女子◇伊藤園レディス 初日(14日)◇グレートアイランドC(千葉)◇6769yd(パー72)◇晴れ(観衆3002…
◇国内女子◇伊藤園レディス 初日(14日)◇グレートアイランドC(千葉)◇6769yd(パー72)◇晴れ(観衆3002人)
不動裕理のスコア提出を待っていた夫で帯同キャディの湖中正泰さんに、同組で回った阿部未悠が聞いた。「ちょっとドライバー見せていただいていいですか? めちゃめちゃ気になっていたんです。不動さん、前よりずっと飛んでいたし」。頭を下げ、了解を得てからヨネックス「EZONE GT TYPE LD」を抜き出した。ロフト角は7度。シャフトは同社の「REXIS KAIZA HP」(5S)だ。
阿部は感触を確かめながら「見た目は8度くらいですね。少し寝かせてあって、なるほど…」と納得しつつも、あきれたように笑う。「私も以前、8度を使っていたけど、(表記が)7度なんて聞いたことない。男子でもちょっとないんじゃないですか? しかし、これで球が上がるんだ…」と不動の技術に絶句した。
不動が「7度のドライバー」を試し始めたのは、直近出場の10月「日本女子オープン」後で、実戦投入は今週が初めて。当の不動は「いつもは9度(の1W)でロフトを少し立たせているんですけど、スライスが出てしまって。だから、7度で少し寝かせてつかまりをよくしようと思ったんです」と説明した。
この日は3バーディ、2ボギー1ダブルボギーの1オーバー「73」。76位と出遅れたが、湖中キャディいわく内容は悪くない。フェアウェイキープは78.57%(11/14)で、パーオン率は72.22%(13/18)。「後半(イン)はチャンスを外しまくった」と言い、パット数が30。423ydもある18番は6番アイアンでピン2mにつけたがパーで、本人は「全然(パットが)入んないです」とこぼして一日を終えた。
永久シード選手の資格と、日本女子オープンでは日本ゴルフ協会(JGA)から特別承認を受け、今季はツアー7試合目。1999年のツアー初優勝を含む4勝を挙げている本大会は、2015年以降ずっと“最終戦”に位置付ける。2日目に巻き返せなければ、2023年に続き、ツアーのプロデビュー29年目で2度目の“シーズン予選通過なし”に終わる。不動は毎年のように、翌年の活動について明言しないが、49歳でロフト角7度のドライバーを操るツアー50勝のレジェンドは、まだまだ元気な姿を見せてくれそうだ。(千葉県長南町/加藤裕一)