米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(31)が今年のナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。異次元の活躍を…
米大リーグ・ドジャースの大谷翔平選手(31)が今年のナショナル・リーグの最優秀選手(MVP)に選ばれた。異次元の活躍を続ける大谷選手を連想させる球場が、北九州市八幡東区にある。
官営八幡製鉄所(現・日本製鉄)の発祥の地として知られる同区。工業地帯のイメージだが、皿倉山のふもとに緑豊かな町並みが広がる。かつてあった「宇宙のテーマパーク」の名が残るスペースワールド駅から15分ほど歩くと球場に到着する。
その名も「大谷球場」(両翼102メートル、中堅122メートル)。地名の「大谷」に由来する名前だ。1928年に製鉄所の福利厚生施設として開設され、かつてはプロ野球の公式戦が開かれたこともある。
新日本製鉄時代の野球部が2003年に廃部となり、翌年から市が借り受け、市営球場として高校野球や社会人野球などで使われた。
しかし、老朽化のため今年3月末に同社に返還。翌4月、自前の球場を探していたプロ野球独立リーグの球団「北九州下関フェニックス」が買い取った。球団によると、取得費用は十数億円とされ、半分ほどを球団創設者で実業家の堀江貴文さんが資金を提供した。国内の独立リーグ球団が球場を所有するのは初めてだという。
ただ取得時は、グラウンドの土はでこぼこで、外野の芝は車のタイヤが半分近く埋まるほど伸びていた。スタンドの座席はひび割れや破損が目立ち、座って観戦できないほど。
三塁側の観客席のすぐ外には路線バスも走る道路がある。今の基準では防球ネットの高さが不十分なため、独立リーグの公式戦は開催できないという。
小中学生の野球教室を開くため、まず取りかかったのがトイレの洋式化。和式を使ったことがないという声に応えたという。球場全体の補修や整備には、取得費用とは別に約16億円かかるため、段階的に進めていく予定だ。
竹森広樹社長は「まだ時間はかかるが、改修を進めて球団の本拠地にするのはもちろん、試合以外でも地域の人たちが気軽に訪れることができる『ボールパーク』にしたい。大谷選手がプレーすることはないと思いますが、名前の縁で引退後に始球式をやってくれたら最高」と語る。
大谷選手の3年連続4度目のMVPの受賞については、「大谷翔平選手の偉業は、野球というスポーツの可能性を改めて感じさせてくれる。大谷球場からも、彼のように夢を追う選手たちを送り出していきたい」と祝福した。(波多野大介)