山本はサイ・ヤング賞の受賞は逃したが、改めて評価の声が高まっている(C)Getty Images 今季最も優れた投手に贈…

山本はサイ・ヤング賞の受賞は逃したが、改めて評価の声が高まっている(C)Getty Images
今季最も優れた投手に贈られる「サイ・ヤング賞」の投票結果が現地時間11月12日に発表され、ナ・リーグはパイレーツのポール・スキーンズが満票で受賞となった。最終の3人に候補入りしていたドジャース、山本由伸は3位となり、残念ながら日本人初の栄冠とはならなかった。
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全米野球記者協会(BBWAA)に所属する記者の投票により決まる同賞ではスキーンズに全員が1位を投じる満票。またフィリーズのクリストファー・サンチェスが同じく満票で2位、山本は3位となった。
初受賞となったスキーンズは10勝10敗、防御率1.97はリーグトップ。リーグ2位タイの216奪三振をマークした。
一方、3位となった山本もメジャー挑戦2年目となった今季は12勝8敗、防御率2.49、201奪三振と圧巻のパフォーマンスを残した。
また今回のサイ・ヤング賞投票はレギュラーシーズンの成績が対象となったが、山本の凄みはポストシーズンに入って特に発揮された。
話題を呼んでいるのは、WS3勝でMVPに輝いた山本由伸の鉄腕ぶり、チームに対する献身的な姿勢だった。
山本はWS第2戦で完投勝利を達成。リーグ優勝決定Sに続き、PSにおいては2試合連続の完投勝利を果たすと中1日置いて延長18回の死闘となった第3戦では志願のブルペン入り。このときは投手がいなくなることで野手登板も視野に入れていたデーブ・ロバーツ監督に「野手をワールド・シリーズに投げさせるわけにはいかない」と直訴。ブルペンで準備を進め、延長18回にフレディ・フリーマンがサヨナラ弾で試合を決めたが、仮に決まらなかった場合は山本の登板機会もあったと後に指揮官も明かしている。
さらに驚愕のパフォーマンスは続く。第6戦では6回96球を投げ、WS2勝目をマークすると、勝負の第7戦でも9回途中から登板。中0日で第7戦も34球を投げ、魂の2回2/3無失点でWS3勝目をマーク。同僚の大谷翔平は「世界一の投手」と称えるなど、ほかのナインからも激賞の言葉が続いた。
先発、中0日の救援登板などまさにフル回転の活躍でチームの世界一連覇達成を後押ししたことは、日米のファン、メジャー関係者にも感動を与えた。
今回サイ・ヤング賞初戴冠はならなかったが、改めてファンの間からは「歴史的な偉業を達成したシーズン」「山本由伸は日本の希望」「ファイナリスト入りだけでもすごい!」「来年が楽しみ」「サイ・ヤング賞を獲る以上のインパクトと結果を残したね」など続々と称賛、ねぎらいの声が改めてネット上では上がっている。
オフに激闘の疲れをしっかり取ってもらい、背番号18の来季パフォーマンスも引き続き、楽しみとなりそうだ。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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