◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 事前(11日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇…

吉田優利は逆転での最終戦進出を目指す

◇米国女子◇アニカ driven by ゲインブリッジ at ペリカン 事前(11日)◇ペリカンGC (フロリダ州)◇6349yd(パー70)

1年前、ルーキーだった吉田優利は年間ポイントランキング(レース・トゥ・CMEグローブ)100位でこのペリカンGCに入ってきた。一定の出場機会が見込める100位までの「カテゴリー11」に入れば、Qシリーズ(予選会)ファイナルステージは回避できる。当落線上で迎えた大事な一戦で予選落ちを喫し、ファイナル上位通過で2年目の出場資格を得た。

「自分の中で一番、思い出に残っていた試合が“これ”だった。ここに来て、ホントにひどいゴルフをして『こんなゴルフをしてるくらいなら、予選会に行った方がマシです』って言ったことをすごく覚えていて。それくらい、悔しかったので…」。見えているチャンスをつかみ切れないどころか、自分から手放すような内容のプレーをしてしまったことへのフラストレーションが強い言葉になった。

「自分の中で一番難しいなと思ったくらい」というコースそのもののタフさも、苦い記憶の一因としてある。前年大会4日間で平均スコア「4.43」を記録して最難関だった2番パー4は象徴的なホールだという。お椀のような形状で前後左右が容赦なく落とされるグリーンは、約15yd四方の狭い面を6番アイアンなど長めの番手で捉えていかなくてはならない。「きょうも、ちゃんと(セカンドを)ショートしました…」。やはり今年もポイントになる。

ルーキーシーズンとは自らの立ち位置が異なる。ランク70位と昨年逃した80位までの「カテゴリー1」を手中に収め、次週の最終戦「CMEグループ ツアー選手権」に出られる60位までに何とか潜り込みたい。「“上”ですよね。ずっと気にはしているところですけど、なかなか近そうで遠いのも分かってるので…」。コースの難しさに加え、なかなかかみ合ってくれずに爆発的なプレーができていない現状からもどかしさがあふれる。

キャリアを支えてきたパッティングがカギを握る

喫緊のテーマはパッティング。アジアシリーズ終盤の「メイバンク選手権」でアマチュア時代に一度使ったきりだったツノ型ヘッドにスイッチしてからも、いいイメージを出そうと必死だ。「パッティングが悪いだけのはずなのに、全体的なレベルがやっぱり下がった風に感じちゃうんですよね。それだけ今までの自分がパッティングに救われていたことを再確認したし、自分のゴルフの“軸”だったのも分かった」。若手だった時は多少練習のフィーリングが悪くても、試合になってコースに出れば何とかできそうな勢いがあった。それが経験を重ねることで怖さを知り、25歳の今は少しだけ慎重になる場面が出てくる。練習でできていることが、試合で発揮できないジレンマを感じる。

「もっと若い時は『そうなんだ』と思って(先輩の話を)聞いていたけど、こういう感じなんだって。来ちゃったものは乗り越えるしかないんで。そこも新しい経験をしてるなって」。葛藤をにじませつつ、最後は前向きに。60位との89.521pt差は単独8位フィニッシュで得られる90ptがひとつの目安となる今週も上だけを見て戦う。「もう、それしかないと思って(ここに)来ています」と大逆転を目指す。(フロリダ州ベルエア/亀山泰宏)