投打二刀流を再始動させ、MVP級の働きを見せた大谷(C)Getty Images 二刀流スターである大谷翔平の“戴冠”が…

投打二刀流を再始動させ、MVP級の働きを見せた大谷(C)Getty Images

 二刀流スターである大谷翔平の“戴冠”が確実視されている。現地時間11月14日に発表予定となっている全米野球記者協会(BBWAA)によるリーグ最優秀選手(MVP)のナ・リーグ部門だ。

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 現地時間11月3日に発表となった最終候補には、年間56本塁打と132打点でリーグ二冠王に輝いたカイル・シュワバー(フィリーズ)と、「シーズン43-38(43本塁打&38盗塁)」を達成したフアン・ソト(メッツ)もノミネート。いずれも打者として図抜けた成績を残したが、大谷のそれには及ばないという見方が世間の大半を占めている。

 25年シーズンに投手として約2年ぶりに復帰した大谷は、平然と二刀流を再始動。打ってはリーグ2位の55本塁打に加え、打率.282、102打点、20盗塁、OPS1.014と軒並みハイアベレージを記録。投げても14先発(47回)のスモールサンプルながら、防御率2.87、WHIP1.04、62奪三振をマークした。

 メジャーリーグ史上初となる「55本塁打&62奪三振」の金字塔も打ち立てた。そんな傑物のMVP受賞を推挙する声は、米メディア内でも根強く残っている。

 米ニュース局『ABC 7 NY』は「打者として最終候補となった3人ともほぼ同じ数のアウトを記録したが、得点創出の数ではオオタニがシュワバーとソトを少なくとも20点も上回っていた」と指摘。「さらにオオタニはピッチングで圧倒的な守備的価値をドジャースに提供した。一方でソトの守備指標はマイナスであり、シュワバーに至っては指名打者専任的な起用だった」と大谷の攻守における価値の大きさを論じた。

「基本的にシュワバーとソトが成し遂げた全てを、オオタニは上回った。しかも彼は投球もすこぶる好調だった。シュワバーのリーグトップの打点数(132)でさえ、オオタニがリーグをトップとなったWPA(勝利期待値を表す指標)における圧倒的な優位性には及ばない」

 一方でナ・リーグにおける“強いライバル”の不在を嘆く声もある。米スポーツ専門局『NBC Sports』のマシュー・プリオット記者は「今年のオオタニが残した成績は昨季(24年シーズン)よりも落ち込んでいた。昨年は史上初の『50本塁打・59盗塁』を達成し、130打点も記録したが、今季はチームメイトをわずか47回しか還せず、102打点となった。投手としても一定の貢献は見せたが、47イニングは大きな差を生むものではなかった」と断言。その上で、持論を展開した。

「オオタニにとって幸運だったのは、ナショナル・リーグには彼を追い詰めるローリーのような選手がいなかったことだ」

 引き合いに出されたカル・ローリーは、確かに歴史的な1年を送った。24年ぶりの地区優勝を飾ったマリナーズの正捕手を務めながら、メジャーリーグの捕手史上最多となる62本塁打を記録。さらに125打点、OPS.948、長打率.589のハイアベレージを叩き出した。

 そんな28歳の名手がナ・リーグにいれば、MVP投票にも変化が起きていたと論じるプリオット記者は、こうも続ける。

「シュワバーは56本塁打、132打点を記録する素晴らしい活躍を見せた。だが、オオタニとの差を埋めるには指名打者以上の役割が求められた。そしてソトは最後の2か月でMVP級のプレーを見せたが、もっと早い段階で調子を上げ、自分に火がつける必要があった」

 仮に受賞となれば、通算7度のバリー・ボンズに次ぐ、歴代2位の回数(4)となる大谷。それが確実視される状況を考えれば、世間の関心を集めるのは満票になるか否かぐらいか。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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