シーズンが佳境を迎える中で、来季去就が注目される角田(C)Getty Images リミットの瞬間が迫っている。F1の名…

シーズンが佳境を迎える中で、来季去就が注目される角田(C)Getty Images

 リミットの瞬間が迫っている。F1の名門レッドブルの来季構想の行方だ。

 今季のF1においてコンストラクターズランキング3位と低迷するレッドブル。シーズン中には20年間にわたって代表を務めていたクリスチャン・ホーナー氏を解雇するなど、抜本的な改革に向けた動きは図ってきたが、いまだ来季のドライバー構想は明確化されていない。

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 すでに絶対的なエースであるマックス・フェルスタッペンとの契約は更新しているが、その“相棒”を務めるセカンドドライバーを誰にするかはいまだ不透明なまま。候補者こそ現担当の角田裕毅に加え、アイザック・ハジャー、リアム・ローソン(いずれもレーシングブルズ)、そしてF2参戦中のアービッド・リンドブラッド(英国)に絞られている感はある。

 もっとも、依然としてチーム上層部から決定的な情報を一切漏れていない。当初は、現地時間10月27日のメキシコGP後を目途に来季のセカンドドライバーを決めるとしていた同チームだが、ここにきて事態が一変。フェルスタッペンが成績を改善させ、タイトル争いに絡んだために、現地時間12月7日のアブダビGP以降に発表を延期。角田、ハジャー、ローソンらもポイント圏に食い入る走りを見せたために、選定は混迷を深めている感は否めない。

 まさに暗中模索の状態なのかもしれない。レッドブルが頭を悩ませる中で、「おそらくツノダではない」と断じる識者もいる。

 英衛星放送『Sky Sports』のコメンタリーを務めるテッド・クラビッツ氏は「来年のレッドブル陣営のラインナップ(レーシングブルズを含む)がどうなるかは決まりつつあると思うが、おそらくユウキ・ツノダではない」とバッサリ。開幕間もない今年3月27日に角田とシート交代を余儀なくされて以来、レーシングブルズで奔走してきた23歳に太鼓判を押した。

「おそらくリアム・ローソンが生き残るはずだ。そしてリンドブラッドは、1か月前よりもチャンスがあると思っている」

 また、“走るマハラジャ”の異名で名を馳せた元F1ドライバーのカルン・チャンドック氏も、同局の番組内で「ユウキは確かに奮闘している」と前置きした上で「だが、彼と同じように、リアムも来年のシートを確保するために努力している。もしも、彼らが決めかねているのであれば、現在の調子だけで言えば、リアムの方がすべてにおいて正しいことをしていると言える」と断言した。

 チームの決断が下されるまで日は残されていない。その中で角田はどこまでアピールを続けられるか。残りわずかとなった各戦は結果もさることながら、内容も重要となる。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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