契約の行方が注目される今永(C)Getty Images 来季にメジャーリーグ3年目を迎える日本人左腕の“価値”が注目を…

契約の行方が注目される今永(C)Getty Images

 来季にメジャーリーグ3年目を迎える日本人左腕の“価値”が注目を集めている。

 真価が問われているのは、現地時間11月4日にカブスからのFAが決まった今永昇太だ。来季以降のオプションを巡って双方で行使せずに、新たな契約を模索した32歳は、球団側から同6日(現地時間)に今季の規定額である1年2202万5000ドル(約33億9000万円)のクオリファイング・オファー(QO)を提示されたが、その返答には至っていない。

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 無論、QO提示で再契約に向けた動きを見せたカブス側にも、今永とのトレード拒否権が付帯する3年総額5700万ドル(約87億7800万円)の契約延長オプションの権利を破棄した理由がある。

 現地時間11月11日に米ラスベガスで実施されたGM会議に出席したカブスのジェド・ホイヤー編成本部長は、地元局『Marquee Sports Network』などの取材に対応。今冬の移籍市場における重要なファクターとなる今永との契約について「もちろん、彼のことは非常に高く評価している。投手としても、チームメイトとしても、ショウタは我々にとって素晴らしい存在だ」と強調した上で、球団としての考えを明確にした。

「彼との(再契約の)可能性を完全に否定するつもりはない。だが、我々は球団オプションの価値があるとは考えられなかった。彼自身も選手オプションは価値が妥当だと考えていなかった。そういうことはよくあるものだ」

 来年9月に33歳となる今永は、25年シーズンに25試合に先発。計9勝(8敗)を挙げたものの、防御率3.73、WHIP0.99、奪三振率7.28と、15勝、防御率2.91を記録した24年成績からはややトーンダウン。また、25年の4シームの球速帯は90.9マイル(約146.2キロ)で、リーグ平均から約3.1マイル(約4.9キロ)も低下。投手陣の平均球速がリーグ24番手と遅い傾向にあるカブスとしては、こうした細かな変化もオプション行使を「価値があるとは考えられなかった」とした要因となったのだろう。

 仮に今永側がQOを受けなかった場合には、経験豊富な左腕との交渉に諸手を挙げる球団は少なくないと考えられる。今オフのメジャーのFA市場で、いわゆる大型契約が見込める「大物」とされるのはディラン・シーズぐらい。レンジャー・スアレスやフランバー・バルデスなど実力派の投手はいるものの、争奪戦は必至の情勢だと考えられる。実際、米スポーツ専門局『CBS Sports』は「イマナガは2年契約で3000万ドル(約46億2000万円)以上の金額を得られるという仮定に賭けている」と契約を予測している。

 果たして、今永はどのような契約を、どこと締結するのか。その行く末を興味深く見守りたい。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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