ドジャース、ヤンキースなど争奪戦 今オフFA市場で最大の目玉となるのが、カブスからFAとなったカイル・タッカー外野手だ。…
ドジャース、ヤンキースなど争奪戦
今オフFA市場で最大の目玉となるのが、カブスからFAとなったカイル・タッカー外野手だ。2年連続ワールドシリーズ制覇を果たしたドジャースも獲得に動く可能性が囁かれているが、今季は後半戦の失速など不安要素もある。米最大の移籍情報サイト「トレード・ルーマーズ」は6日(日本時間7日)、タッカーが11年総額4億ドル(約616億円)の契約を結ぶと予想した。
記事では、タッカーの入団予想先としてドジャース、ヤンキース、ブルージェイズ、フィリーズ、ジャイアンツ、エンゼルス、メッツを挙げた。28歳のタッカーはアストロズ時代の2021年と2022年に2年連続30本塁打を記録。2023年には打点王とシルバースラッガー賞を獲得し、今季からカブスにトレード加入した。故障もありながら、打率.266、22本塁打73打点、25盗塁、OPS.841の好成績を残した。米記録サイト「ベースボール・リファレンス」の勝利貢献度WARは4.5をマークした。
一方で、最近2年間は故障離脱があったことで不安説もある。2024年は序盤好調ながら6月初旬に自打球を右足に当てて負傷者リスト(IL)入り。3か月間欠場し、78試合の出場ながらも23本塁打、OPS.993をマークした。
カブスに移籍した今季は、6月初めに盗塁でヘッドスライディングを試みた際、薬指と小指の間に亀裂骨折を負っていたことが米スポーツ局「ESPN」に報じられた。後半戦は41試合、打率.231、本塁打5、打点17、OPS.738と失速したタッカーだが、同記事では「この怪我はある程度スランプの理由を説明できるが、タイミングは完全には一致していない。彼は骨折した直後の4週間、驚異的な成績を残していたのだ」とし、不調の要因だと必ずしも断定できないと指摘した。
記事では「シーズン序盤には、タッカーが野球界で4人目の5億ドル(約770億円)プレーヤーになる可能性も考えられた」と、やや評価が下がったことに言及。それでも「彼は今年のFAで間違いなく最大の契約を得るだろう」と依然としてオフの最大の目玉であることを強調した。
2022年には右翼手としてゴールドグラブ賞を獲得した経験があるが、過去3シーズンで彼のスピードと守備指標は低下しているという課題も。長期契約を結んだ場合に「今後数シーズンはライトで問題ないだろうが、10年以上の契約期間中にファーストまたはDH(指名打者)に転向する可能性は大いにある」とした。
仮にタッカーが11年契約を結べば39歳までプレーすることになる。記事では、同様に長期契約を結んだザンダー・ボガーツ内野手(パドレス)やトレイ・ターナー内野手(フィリーズ)と比較した上で「タッカーはボガーツやターナーのような優れた守備能力はないが、優れた打者なのは明らかだ」とし、今後も打撃では活躍が見込めることを予想した。
契約金額について「タッカー側は5億ドル(約770億円)の要求から始めるかもしれないが、より現実的なのは4億ドル(約616億円)だ」と予想。2202万5000ドル(約33億9300万円)のクオリファイング・オファーについて、タッカーが受諾することはないと分析。「カブスが彼を引き留めるには、(2016年にジェイソン・ヘイワード氏が結んだ)球団記録の1億8400万ドル(約283億円)を大幅に更新する必要があるが、それは考えにくい」とし、争奪戦になるのは確実だと強調した。(Full-Count編集部)