「UZR」を基準にGG賞を予想…セ・リーグ編 守備の名手に贈られる「第54回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表され…

「UZR」を基準にGG賞を予想…セ・リーグ編

 守備の名手に贈られる「第54回三井ゴールデン・グラブ賞」が12日に発表される。同賞は記者投票によって選ばれるが、データに基づくとどのような選手が候補になるか。数値をもとにセ・リーグ受賞選手を検証した。

 セイバーメトリクスの指標などを用いてプロ野球の分析を行う株式会社DELTAのデータを参照。「三井ゴールデン・グラブ賞」有資格者の72人(投手30人、野手42人)を対象に、守備で平均的な選手と比べた時にどれだけ失点を増減させたかを示す「UZR」をもとに見ていく。

 まずは内野の要となる二遊間から。二塁手は、吉川尚輝(巨人)が9.9でトップ。2位はリーグ優勝に貢献した中野拓夢(阪神)で7.2。GG賞も両者の争いになることが予想される。また、2013年から10年連続でGG賞を獲得した菊池涼介(広島)は-4.4とマイナス数値になった。

 遊撃手のトップは、2年目でレギュラーに定着した泉口友汰(巨人)の11.9。守備率も.979と高いだけに初受賞の可能性も高そうだ。2位に入ったのは山本泰寛(中日)の8.9。巨人、阪神、中日と3球団を渡り歩く10年目野手の貢献度が光った。

 一塁手は今季87試合に出場した増田陸(巨人)が7.2でトップ。有資格者で見ていくと、次につけるのは佐野恵太(DeNA)の1.5。阪神不動の一塁手として活躍した大山悠輔は-3.5となっており、リーグ優勝がどこまでGG賞に影響を与えるか。

 三塁手は佐藤輝明(阪神)と宮崎敏郎(DeNA)の一騎打ち。UZRは佐藤輝が1.7、宮崎は-4.8となっており、数値上では佐藤輝が優勢といえる。

合計値トップは中日・山本泰寛の“12.6”

 外野手(左翼手・中堅手・右翼手)で、リーグ1位の9.5を残したのは5年連続5度目の受賞の期待がかかる近本光司(阪神)。2位には森下翔太(阪神)の7.4が続いており、阪神勢が上位を占めた。3位に入ったのは今季から外野手にコンバートされた中村奨成(広島)の6.7。昨年トップの7.0を記録した岡林勇希(中日)は-5.9と大きく数字を落とした。

 投手と捕手を除き、有資格者のなかでUZRトップ数値12.6を残したのは山本泰寛(中日)。二塁手で2.0、遊撃手で8.9、三塁手で1.7を記録し、ユーティリティプレーヤーとして、チームを支えた32歳の活躍が数字としても現れた形となった。

 UZRは12球団の比較指標のため、GG賞にどれほど影響を与えるかは分からないが、数値のうえではここまで名前をあげた選手の活躍が目立った。今年はどの選手が“守備の栄誉”を掴むか、12日の発表に注目が集まる。(Full-Count編集部 データ提供:DELTA)

データ提供:DELTA
 2011年設立。セイバーメトリクスを用いた分析を得意とするアナリストによる組織。書籍『プロ野球を統計学と客観分析で考える デルタ・ベースボール・リポート1~3』(水曜社刊)、電子書籍『セイバーメトリクス・マガジン1・2』(DELTA刊)、メールマガジン『1.02 Weekly Report』などを通じ野球界への提言を行っている。集計・算出した守備指標UZRや総合評価指標WARなどのスタッツ、アナリストによる分析記事を公開する『1.02 Essence of Baseball』も運営する。