11月12日、プロ野球選手会主催の「エイブル・トライアウト2025」が開催される。参加者39名の中で最も注目度が高いのは…

11月12日、プロ野球選手会主催の「エイブル・トライアウト2025」が開催される。参加者39名の中で最も注目度が高いのは前阪神・森木 大智投手(高知)、前ソフトバンク・風間 球打投手(明桜)である。4年前の21年、この2人は当時の高校球界を牽引する存在だった。

 森木と風間はDeNA・小園 健太投手(市和歌山)とともに21年の「高校生投手BIG3」と称されていた。森木は完成度の高い投球フォームから最速154キロの速球、スライダー、カーブ、フォークをしっかりと投げ分ける正統派のパワーピッチャーだった。一方、風間はやや荒削りだったが、最速157キロの速球、高速フォークで圧倒する剛腕。平均球速は140キロ台後半を計測しており、ポテンシャルは世代NO.1の投手だった。

 ドラフト1位で入団した2人は将来のエース候補として期待された。

 しかし2人ともプロで伸び悩み、怪我によりパフォーマンスダウン。さらに制球難にも苦しみ、今年から育成選手へ。森木は今季、二軍14試合で14.1回を投げ、18四球、防御率13.81。与四球率11.30に終わり、戦力外になっても致し方ない内容だった。風間は三軍が主戦場で12試合に登板して、13.2回を投げ、15与四球、6奪三振、防御率4.61と制球力が課題となり、直球も常時140キロ台中盤も球速も落ちていた。

 そんな2人はトライアウトでどんなアピールをすればいいのか。昨年、トライアウトに参加した投手で、現役続行が決まった投手たちのパフォーマンスを見ていきたい。

 150キロ以上を出した元巨人の鈴木 康平(千葉明徳)はヤクルト育成、元楽天の清宮 虎多朗(八千代松陰)は日本ハム育成に決まった。149キロを計測した元広島の岡田 明丈(大商大)は社会人の明治安田、140キロ台後半の速球を投げた投手の大半が社会人、二軍球団に決まっている。

 2人には常時145キロ以上、最速140キロ後半〜150キロ以上、そしてストライク先行の投球を求めたい。

 今回のトライアウトは1人の投手が打者3人に投げるルールとなっている。過去に現役続行が決まった投手を見ると、ヒットを打たれることはあまりマイナスにならない。逆に四球などボール先行になる投手は印象が悪い。

 今年のトライアウトはソフトバンク・又吉 克樹投手(西原)など実績のある投手が多く参加する。実績面、テクニック面では到底、ベテランの投手たちに敵わない。潜在能力はベテランたちより凄いと思わせるピッチングを見せていきたい。

 現役続行をかけた12日のトライアウトでのマウンドで、復活を印象付ける投球で再びファンを沸かせていきたい。