今週は牝馬最強馬決定戦、第50回エリザベス女王杯(GI、芝2200m)が京都競馬場で行われる。
2歳時のホープフルSと3歳暮れの有馬記念を制したレガレイラ、昨年の桜花賞馬ステレンボッシュのGI馬2頭に、秋華賞2着エリカエクスプレスと同3着パラディレーヌの3歳勢、直近の重賞で好走歴がある古豪らが挑む。
そんな中、3歳勢の筆頭格エリカエクスプレスが、今回の「危険な人気馬」の標的となる。
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■過去10年逃げ馬は【0.2.0.8】
前走の秋華賞では、鞍上・武豊騎手の絶妙な逃げで“あわや”を演出したエリカエクスプレス。最後はエンブロイダリーに屈したが、デビュー2戦目でフェアリーSを制し、桜花賞では1番人気に支持されるなど、早い時期からその素質を評価されていた実力馬が、改めて力のあるところを証明して見せた。今回は古馬との対決で、再度名手とのタッグとなり、どんなレースを見せてくれるか注目される。
とはいえ、エリザベス女王杯では前走同様の逃げ戦法は、なかなか通用しにくいのが現実だ。過去10年、逃げ馬は【0.2.0.8】。2018、19年とクロコスミアが2年連続で2着に粘ったケースがあるだけで、大半の馬が2桁着順に敗れている。
最後に逃げ切り勝ちを決めたのは2009年クィーンスプマンテで、この時は2着テイエムプリキュアと、伏兵が雁行する大逃げで異例の結末。そのほか過去30年で逃げ切ったのは2007年ダイワスカーレットのみであり、伏兵の立場で逃げ切りを許されるケースは少なく、ましてやマークされる立場にあって、逃げ切るのも至難の業といえよう。今回のエリカエクスプレスも注目される立場だけに、果たして秋華賞と同様に上手くいくだろうか。

エリザベス女王杯/過去10年の脚質傾向(C)Winsight
■連対ゼロの血統構成
エリカエクスプレスには臨戦過程の不安要素もある。前走秋華賞組は、過去10年で【1.2.2.16】ではあるが、1、2着馬がともに【0.0.0.4】で秋華賞連対馬は馬券に絡んでいない。かつては2003年アドマイヤグルーヴのように、秋華賞2着の悔しさをエリザベス女王杯で晴らすケースもあったが、近年はGIを連続で好走することが難しくなっており、秋華賞好走を鵜呑みにしてはいけない。

エリザベス女王杯/過去10年の前走傾向(C)Winsight
血統面も厳しく、父エピファネイアの産駒も決して相性は良くない。これまでにエリザベス女王杯では【0.0.1.6】の成績で、2021年クラヴェルが3着に好走しているのみ。牝馬三冠デアリングタクトも、5歳時に挑戦した2022年に、1番人気で6着に敗れている。祖父シンボリクリスエスも、エリザベス女王杯での産駒成績は【0.0.0.4】、母父ガリレオも【0.0.0.2】と、血統的には強調材料に欠く数字と言わざるを得ない。
今年は牝馬二冠エンブロイダリーやオークス馬カムニャックが参戦せず、3歳勢の代表格として、古馬撃破を期待されるエリカエクスプレス。他にあまり同型がおらず、今回もハナを奪えそうではあるが、逃げ切ることが難しい一戦であるのに加え、臨戦過程や血統面など人気ほどの信頼度は低い。妙味を考慮すると、少なくとも「頭」勝負は避けたい。
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◆著者プロフィール
石川豊●いしかわゆたか 20代から競馬メディアに寄稿。「ユタカ人気」と言われた時代、武豊が騎乗する過剰人気馬をバッサリと切り捨てる馬券術を駆使し、年間回収率100%超に成功。以来、「1番人気の勝率は3割」を念頭に、残り7割の可能性を模索し、「危険な人気馬」理論を唱え続ける。