“イケメン主将”と話題になった高松商OBの米麦圭造さん 出身校別にOBチームを結成し、再び高校野球の聖地・甲子園に立つこ…

“イケメン主将”と話題になった高松商OBの米麦圭造さん

 出身校別にOBチームを結成し、再び高校野球の聖地・甲子園に立つことを目指して地方大会を戦う「マスターズ甲子園」。今年も予選を勝ち抜いた10チームが、8日に甲子園球場で行われた「第22回マスターズ甲子園2025」の開会式に集結した。同大会初出場の高松商OBチームには、2016年春の選抜で準優勝した米麦圭造さんの姿もあった。

「なんとなく思い出しますね。ここで野球をやっていたなと。(開会式で整列したときに)9年前の閉会式もこの景色だったなみたいな。うっすらと思い出しています」

 第1回選抜大会覇者の同校は、その後も春夏通算45度の甲子園出場を果たすも、1990年代に勢いが失速。1996年から20年、甲子園に出られない低迷期が続いた。しかし2014年、現在も指揮を執る長尾健司監督が就任すると、米麦さんが主将になった2015年秋に神宮大会で優勝。翌春の選抜準Vを成し遂げ、再び聖地を射程圏内に収められるようになった今日へと歴史が紡がれている。

 そんな116年に渡る、同校の球史を語るうえで欠かせない米麦さん。進学した国学院大では、硬式野球部を1年の春に退部すると、“イケメン主将”として注目された端正な顔立ちと、180センチの引き締まった体格を強みに、俳優を目指し、同大のミスターコンテストに挑戦した。以前からこなしていたヘアモデルに加え、グランプリ受賞後は、メンズコスメブランドや脱毛サロンのイメージビデオに出演するなど、コツコツと実績をつくっていっていた。

現在はオーダースーツの仕事&バーで勤務、空き時間に草野球

 26歳になった現在は「俳優の方はちょっとストップ」と話し、違う道を歩んでいる。東京都内で暮らし、紹介制のオーダースーツ企業で働きながら、夜は港区にあるバーでお酒を作っている。空いた時間には草野球をしていると言い、「大学生のときは少年野球チームで教えていたこともあります。可愛かったし、楽しかったですね」と懐かしんだ。

 8日に甲子園球場で行われた八幡OB戦(福岡)は、2回に捕手で出場すると、次のイニングには9年前と同じ遊撃を守った。1死3塁で回ってきた打席は「『うわぁ、この景色や』って思えてきてニヤニヤしちゃいましたね。その余韻に浸ってしまって1球目に対応できませんでした」と振り返った。追い込まれるも左前適時打を放ち後続の安打などで3塁に進み、最後は本塁でタッチアウトとなった。

 14-5で勝利した試合後、恩師の長尾監督に「仕事頑張ります」と伝えたいと語った米麦さん。結婚はまだのようで「募集中です。(となり)空いてます」と微笑んだ。白い歯を見せた元主将の目じりには、芸能界という狭き門に挑戦した充実感がうかがえる9年分の笑いジワがうっすらと刻まれていた。(喜岡桜 / Sakura Kioka)