佐々木、大谷、山本と記念写真を撮るキム・ヘソン。世界一にまで辿り着いた1年は大きな刺激に満ちていた(C)Getty Im…

佐々木、大谷、山本と記念写真を撮るキム・ヘソン。世界一にまで辿り着いた1年は大きな刺激に満ちていた(C)Getty Images

 結果や起用法など見れば、試練の1年だった。それでも当人は「あまり失望とかはなかった」と振り返る。声の主はドジャースのキム・ヘソンだ。

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 最終的に万感の世界一で幕を閉じた1年は、キム・ヘソンにとって鍛錬の日々だった。28、29年に球団オプションが付帯する3年総額1250万ドル(約19億6250万円)でドジャースとサインしたマルチロールだが、開幕前からMLBの投手たちへの対応に苦戦。デーブ・ロバーツ監督からも「打撃に疑問点はある」と指摘され、春先にはマイナー(3A)への降格を命じられもした。

 最終的にワールドシリーズに出場するためのロースターにこそ選出されたものの、チャンスは乏しく、代走や守備固めとサブ的な起用に終始。大きな期待を背負ったルーキーイヤーは決して順風満帆とは言い難いものとなった。

 それでも「失望がない」と言う男の刺激となったのは、同僚となった日本人選手たちの活躍だったという。現地時間11月9日に韓国のニュース局『JTBC』の番組に出演したキム・ヘソンは、大谷翔平や山本由伸から「学ぶことばかり」と語り、日本野球について言及した。

「やっぱり日本の選手がかなり活躍しているという印象は強く受けた。WBCでも優勝した彼らがメジャーリーグでもうまくやっている姿をシーズンを通してよく目にした」

 ただ、同じアジアからやってきたスターたちとの日々の中で、キム・ヘソンには“反骨心”も芽生えていた。番組司会から「2006年とか2009年のWBCぐらいまで日本と韓国のレベルは互角だったのに、今では差が開いた感じがしますね」と問いかけられ、こう切り返している。

「たしかにそういう側面もあるし、それは紛れもない現実だと思う。でも、韓国野球にだって未来はまだある。ここから発展する可能性だって大きく秘めているはず。僕らが上手くやれば、韓国野球が日本野球よりも上を行く日が来るんじゃないかと思っている」

 メジャーの壁にぶち当たり、悪戦苦闘した。その中で米球界を席巻した日本人選手たちから得た刺激は、26歳の韓国人野手を前向きにさせるものとなったようだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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