「“教皇だろうと国王だろうと、ステージ内には誰もいない” 安全面で日本側と進めてきたプロセスは、すべて機能していた」 ─…
「“教皇だろうと国王だろうと、ステージ内には誰もいない”
安全面で日本側と進めてきたプロセスは、すべて機能していた」
──FIA WRCセーフティーデリゲート ニコラ・クランジェ
過去3年間は安全面で様々な問題が発生し、特に昨年は妨害を意図した車両のステージ内終了を防げなかったとしてFIAから多額の罰金を課せられたラリージャパンだが、今年は競技面で目立った問題はなく、WRCセーフティーデリゲートのニコラ・クランジェは合格点を出した。
「メディアやテレビクルーだけでなく、時には私たちFIA関係者、車検担当者などがストップポイント(フィニッシュのタイムコントロール)にアクセスできないこともあったが、それこそ彼らが人を侵入させていない証拠だ。様々なパスを区別するのは容易ではない。だから確実を期すため、私たちがステージの閉鎖を決めた瞬間から誰も入れないようにしている。“教皇だろうと国王だろうと、ステージ内には誰もいない”。これこそが、私たちが望む、より安全な状態だ。
日本サイドがコントロールを維持する必要性を理解したことが何より重要だ。ステージで何が起こっているかを評価し、状況を報告してくれるようになった。そして、管理の方法や閉鎖を維持する必要性を認めてくれた。FIAジャケットを着た者でさえ、安全区域へのアクセスを止める姿勢は、私にとって大きな進歩だ。
まだ課題があるとすれば、予期せぬ事態が発生するとあっという間に大混乱を招くことだ。日本人と約5年間仕事をしてきて分かったことだが、計画どおりに進めることができれば、すべてが非常に簡単だということだ。彼らは計画を尊重し従う。だが今でも、小さな問題や何かが起きた時、素早く制御を維持する必要を感じる。そうしないと、本当にあっという間にコントロールを失ってしまうからね。ただ今回は、すべてが順調に機能していた。だから私たちは満足しているよ」