【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】◆血統で振り返るアルゼンチン共和国杯【Pick Up】ミス…
【栗山求(血統評論家)=コラム『今日から使える簡単血統塾』】
◆血統で振り返るアルゼンチン共和国杯
【Pick Up】ミステリーウェイ:1着
父ジャスタウェイは現役時代、鋭い末脚を武器に天皇賞(秋)で女傑ジェンティルドンナに4馬身差をつけ、芝1800mのドバイデューティーフリーでは6・1/4馬身差で圧勝。このときは従来の記録を2秒以上更新する大レコード(1分45秒52)でした。
ただ、種牡馬としてのジャスタウェイは芝だけでなくダートでも良績を残しており、テオレーマ、マスターフェンサー、ヤマニンウルス、ジェイパームスといった砂巧者を送り出しています。また、芝・ダートともに長めの距離で良績を残しており、芝2500〜2600mでは連対率27.7%と抜群の成績です。現役時代と産駒の姿にややズレが見られるのがジャスタウェイといえます。
ミステリーウェイは、アマルフィコースト(阪神牝馬S2着、京都牝馬S3着、ファンタジーS3着)、イティネラートル(フィリーズレビュー5着)をきょうだいに持つ良血。母の父ハイシャパラルはサドラーズウェルズ系のスタミナ型で、成長力と底力があり、エリキング、ユニコーンライオン、シゲルピンクダイヤとシゲルピンクルビーの姉妹など、ブルードメアサイアーとして優秀な成績を残しています。
もともとジャスタウェイは芝2500〜2600mに強いタイプですが、母の父ハイシャパラルの影響もあって、長丁場での粘り強さという特長を獲得したのでしょう。
◆血統で振り返る京王杯2歳S
【Pick Up】ダイヤモンドノット:1着
23年ダービー卿CTで3着となったゾンニッヒの半弟。母エンドレスノットはダービー馬マカヒキの全姉にあたる良血です。
父ブリックスアンドモルタルは現役時代にアメリカで年度代表馬に選出された芝馬で、先日、船橋競馬場で行われたJBCレディスクラシック(JpnI・ダ1800m)では、産駒のアンモシエラが2連覇を果たしました。
気性に難しさがあり、小回りコースの窮屈な競馬が良くないせいなのか、広くて直線の長い東京芝コースや、京都・阪神の芝外回りコースの成績が優れています。一昨年秋にはゴンバデカーブースが東京芝1600mの2歳重賞サウジアラビアRCを勝ちました。ダイヤモンドノットとゴンバデカーブースはいずれも「ブリックスアンドモルタル×ディープインパクト」という組み合わせです。
ダイヤモンドノット自身は気性面の成長が見られ、今回もすんなり2番手から突き抜けたように競馬ぶりに癖がありません。小回りコースにも問題なく対応できそうです。