(9日、秋季東京都大会決勝 帝京8―4関東第一) 優勝が決まった瞬間、帝京の金田優哉監督(40)は、あふれる涙を抑えきれ…
(9日、秋季東京都大会決勝 帝京8―4関東第一)
優勝が決まった瞬間、帝京の金田優哉監督(40)は、あふれる涙を抑えきれなかった。
「ずっと、めざしてきましたから。長くかかっちゃったけど、ようやく壁を破ってくれた」
春夏合わせて甲子園で3度の優勝経験がある帝京だが、最後に甲子園大会に出たのは2011年夏のことだ。マウンドの上で喜ぶ選手たちの姿を見ながら、卒業生たちの顔やいろいろな思い出がよみがえってきたという。
甲子園で3度の優勝を含む通算51勝を挙げた前田三夫前監督(76)の後任として、2021年秋からチームを率いる。
自身も帝京出身で、2年生だった02年夏の甲子園大会で4強入り。強い帝京にあこがれて入学し、3年では主将も務めた。
■「甲子園の感動が忘れられない」
「甲子園の感動が忘れられない。行進の時の足の感触は今でも覚えている」。あの時の感動を、足の感触を、選手たちにも味わってほしい、と思い続けてきた。
でも、簡単にはいかなかった。
昨夏の東東京大会は決勝で関東第一に敗れ、今夏は準々決勝で敗退。名門を率いる重圧と、結果が出ない苦しさ――。何度も、心が折れそうになった。
「負けて、選手の涙を見てきた。それが一番きつい。でも、新チームもあるし、立ち上がらないといけない。グラウンドに出ると、選手は頑張っているので、その姿を見ると頑張らなきゃ、と」
気持ちを奮い立たせて、立ち上がってきた。
リフレッシュの方法は、特にはない。試合前日は眠れないこともある。いろんな思いや葛藤の中、母校を16年ぶりに優勝に導いた。
■もう1回「強い帝京を」
「何とかもう1回『強い帝京を』という気持ちでいた。今回は、私の気持ち以上に選手たちがそういう気持ちでやってくれた」
15年ぶりの甲子園出場へ前進したが、まだ実感はわかない。選手時代に味わった甲子園の思い出。「一緒に味わえるのが、すごくうれしい。でも、帝京は出るだけのチームじゃないと思うんで」。ほっとした表情の中にも、強い意思がこもっていた。(野田枝里子)