WRC第13戦ラリージャパンがフィニッシュを迎えた11月9日、表彰式が終わってまもなく、ヒョンデ・モータースポーツは、オ…

WRC第13戦ラリージャパンがフィニッシュを迎えた11月9日、表彰式が終わってまもなく、ヒョンデ・モータースポーツは、オィット・タナックが今季いっぱいでフルタイムのラリー活動から引退することを発表した。

タナックとコ・ドライバーのマルティン・ヤルベオヤは、2020年にヒョンデに加入。その後、3シーズンにわたって成功を収めた。ヒョンデでの初優勝は、母国で開催されたラリーエストニア。22年いっぱいで一度はヒョンデを離脱したが、24年に復帰。この年のWRCサルディニアとWRCセントラルヨーロッパで勝利し、選手権3位に入った。今季はチームにとって厳しいシーズンとなっていたが、WRCアクロポリスではチームに1勝をもたらしていた。

タナックがWRCから距離を置くことを決めたのは、家族と過ごす時間や事業、人生についてなどラリー以外のことにより多くの時間を割くことを選択したためだという。ヒョンデは26年シーズンのWRCのフルラインナップについて、近日中に発表するとしている。

ヒョンデ・モータースポーツ代表のシリル・アビテブールは「オィットの決断は悲しいが、フルタイムでのラリー活動から離れる理由については理解できる」とコメント。
「我々はともに様々な成功を収め、エストニアでの素晴らしい初勝利から20年のマニュファクチャラーズタイトル、8度の優勝と数多くの表彰台を勝ち獲った。ともに祝った栄光の裏には苦難もあったが、オィットは常に全力を尽くした。彼は世界最高峰のラリードライバーのひとりであり、今もなお脅威となる存在だ。条件が揃えば、彼は止めようのない勢いを発揮する。ステージ内外で、まさに刺激を与えてくれた。チームの成功への貢献に、感謝する。彼とお別れするのは二度目だが、オィットはヒョンデ・ファミリーの仲間だ。ありがとう、オィット。いつかまた会えることを願っている」





タナックは「WRCの頂点で戦った数多くの素晴らしい年を経て、25年シーズンの終了を、フルタイムのラリー参戦からの引退に適切なタイミングだと決断した。これは完全な別れではなく、リセットし、充電し、未来に向けて再び集中する機会だ。ラリーは自分の人生の大部分を占めてきたが、今は一息ついて家族と過ごす時間を増やし、故郷エストニアでの生活に集中する時だと感じている。

ヒョンデ・モータースポーツのみんなには、心から感謝したい。エンジニアやメカニック、経営陣、そして舞台裏で尽力してくれたすべての人たち、そして何よりも世界中の素晴らしいファンのみなさんと、この素晴らしい年月をともに過ごせた。勝利も、困難も、数え切れない思い出も、これからもずっと胸に刻み続ける。ともに成し遂げたことのすべてを誇りに思うし、チームが示してくれた信頼と支援に深く感謝している。今もラリーを深く愛しているし、これからも何らかの形で関わっていくつもりだ。あらためて感謝を込めて、またどこかで会おう!」