佐々木の起用法に注目が集まる(C)Getty Images ドジャースの佐々木朗希は、メジャー1年目となった今季、波乱の…

佐々木の起用法に注目が集まる(C)Getty Images

 ドジャースの佐々木朗希は、メジャー1年目となった今季、波乱のルーキーシーズンを送った。

 開幕から先発ローテーションの一角を任されながら、8先発でわずか1勝と苦しんだ。5月に入り右肩のインピンジメント症候群を発症、長期離脱を経て9月下旬に復帰を果たすと、自身キャリア初となる救援投手へと配置転換。その後、プレーオフの舞台ではロングリリーフや連投をこなし、ワールドシリーズでも試合最終盤で存在感を発揮するまでとなった。

【動画】佐々木朗希、魂の完全投球! 強打者たちをねじ伏せた空振りシーン

 レギュラーシーズン序盤では、先発マウンドに登り不調が続くも、故障明けからはリリーフで高いポテンシャルを発揮した佐々木。今季の一連の流れは、メジャー2年目以降での佐々木の起用法として、ドジャース首脳陣に複数の選択肢を与えた形となった。11月に24歳を迎えたばかりの右腕が、今後も十分に成長の余地があることは言うまでも無く、先発、救援、どちらを任せるのかはこのオフに方向性が決まるものと予想される。

 そして、およそ1年前には多くの球団により繰り広げられた「争奪戦」の主役だったこともあり、今オフも佐々木へ向けられる関心は高いままだ。米メディア『Sports Illustrated』が初のメジャーシーズンを終えた佐々木の来季を占う特集記事を配信している。

 同メディアは、「シーズン序盤と終盤でのササキの姿はまるで別人のようだった」と振り返るとともに、来季の起用法として、「ドジャースの首脳陣とデーブ・ロバーツ監督は、『焦らず育てる』姿勢を貫いてきた。24歳になったばかりのササキに、チームは来季再び先発としてのチャンスを与える可能性もある。日本時代のような輝きを取り戻せるかどうか、まずは見極める段階だ」と論じている。

 また、米野球解析サイト『FanGraphs』のエリック・ロンゲンハーゲン記者による、佐々木についてのコメントも掲載。ロンゲンハーゲン氏は、現時点での佐々木が先発投手として球威やコントロールがまだメジャーの一線級ではないと指摘しつつ、「(来季は)おそらくはクローザーだろう」と予想。以下のような考察を並べている。

「もし彼の速球が(ドジャースの)シーハンのような“生命力”を持っていれば、多少の誤差があっても問題なかっただろう。ただ単に勢いがあるというだけでなく、特有の変化を伴う速球なら、少しのコントロールミスも許される。だがそうでない場合、制球面の進歩が不可欠になる。その課題を克服するには、リリーフとして育成を続けるのが現実的だと思う」

 佐々木も希望しているとも伝えられる先発への再転向となるのか、それとも、引き続きドジャースの“守護神”の役割を担うのか。いずれにせよ、ここから投手としてさらなる成長を遂げていくその姿は、より大きな注目を集めることになる。そして2026年は、佐々木にとって今季以上に大きな期待を背負うシーズンとなるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】“望外”の戦力化 佐々木朗希にド軍スネルが口にした助言「今のロウキは別人。せっかく素晴らしいボールを持っているのに…」

【関連記事】起死回生のWS同点弾の真実 苦しんだロハスを安堵させた大谷翔平の“言葉”「ねぇ君は来年引退できないよ。あと10年、僕と一緒にプレーするんだ」

【関連記事】ヤ軍が見誤った山本由伸の価値 衝撃連投に“495億円の出し惜しみ”を米記者が悔恨「ヤマモトはヤンキースが好きだった」