角田とフェルスタッペンが揃ってQ1敗退となったレッドブル。その結果に幹部も肩を落とした(C)Getty Images F…

角田とフェルスタッペンが揃ってQ1敗退となったレッドブル。その結果に幹部も肩を落とした(C)Getty Images
F1界も騒然となる大惨事だ。現地時間11月8日、F1の今季第21戦となるサンパウロGPの公式予選がブラジルのインテルラゴス・サーキットで行われ、レッドブルはマックス・フェルスタッペン(16番手)と角田裕毅(19番手)が揃って1回目(Q1)で敗退となったのだ。
【動画】一体なぜ? グリップ不足に不満が爆発した角田のクラッシュシーン
「何かが本当におかしいんだ。僕らは大きなトラブルを起こさないために、かなり控えめに運転せざるを得なかった」
15番手となったカルロス・サインツ(ウィリアムズ)と0.066秒の僅差で落ちたフェルスタッペンが嘆くほど、マシンの状態は最悪だった。
前日のフリー走行(FP)でも低迷した結果を受けて陣営は、両雄のマシンにテコ入れを慣行。とりわけ問題視されたグリップの修正を「リスクを冒して、大胆に変更した」。だが、角田が「まったく想定していなかった事態だった」と訴えたように改善は見られなかった。
レッドブルのドライバーが揃ってQ1で姿を消すのは、F1参戦初年度となる2006年の10月に行われた日本GP以来の2度目の出来事。文字通りの歴史的敗北だった。
状態改善を図るために下した大胆な判断が裏目に出た。この結果にチームの重鎮も頭を抱える。チームアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士は、独衛星放送『Sky Germany』などのフラッシュインタビューで「完全なる大惨事だ」と落胆。複雑な胸中を明かすように言葉を絞り出した。
「今日はどのコーナーでも遅れてしまった。グリップも実際の数値よりもかなり低かった。我々は原因を突き止める必要がある。すでにマシンにダメージが残っていたのかもしれない」
さらに「どこで、なぜ失敗したのかを振り返る必要がある」と続けるマルコ博士。今回の結果は、フェルスタッペンが目指してきたF1の5連覇もかすませるが、「これでワールドチャンピオンシップを獲るチャンスは大幅に下がった」と素直に認めた。
レッドブルは、絶対的エースであるフェルスタッペンを除いて、来季のドライバー構想を公表していない。そうした状況下での大惨敗は計画にいかなる影響をもたらすのか。現時点でセカンドドライバー争いの有力候補となっている角田、アイザック・ハジャー、リアム・ローソン(共にレーシング・ブルズ)と混迷している序列が注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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