イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/5月9~15日/賞金総額239万9000ユーロ/クレーコート)の女子シングルス3回戦で、土居美咲(ミキハウス/45位)が、ジョハナ・コンタ(イギリス/23位)を4…
イタリア・ローマで開催されている「BNLイタリア国際」(イタリア・ローマ/5月9~15日/賞金総額239万9000ユーロ/クレーコート)の女子シングルス3回戦で、土居美咲(ミキハウス/45位)が、ジョハナ・コンタ(イギリス/23位)を4-6 7-5 6-2のフルセットの戦いの末に下し、準々決勝に進出した。
土居は、13日に行われる準々決勝で、イリナ カメリア・ベグ(ルーマニア/35位)と対戦する。土居にとって、WTAプレミアの大会での準々決勝進出は初。
◇ ◇ ◇ 第1セットを4-6で落としたあと、第2セットでは5-1とリードしたが、次の自分のサービスゲームをブレークされ、そこから5-5まで追い上げられた土居。 「セカンドセットをリードして、本当に取れそうなところで、相手に何をされたというわけでなく、ミスをして自分から崩れてしまった。やはり、第2セットでリードしていて、追いつかれたあたりが一番苦しかった」と振り返る。 「フラストレーションを感じ、たぶんムード的にもよくなかったと思うが、そこを断ち切って2ゲーム連取し、第2セットを取ることができた。自分のペース自体にはそれほどいい印象はなかったが、相手も第3セットに入って少し疲れているようにも見えたので、そこでファイトし続けられたことが、勝ちにつながったと思う」と土居は試合を分析した。 その言葉の通り、第3セットでは2-2からの自分のサービスゲームを簡単にキープすると、第6ゲームで競り合った末に、相手のサービスをブレーク。その前後から、「自分のいい流れ、いいムードだなという感じは覚えていた。いけると思いながらプレーできていた」という。
結局、第3セットを6-2で取って試合を決めた土居は、WTAプレミアでの初の準々決勝進出にも浮かれず、「勝利はもちろんうれしいけど、まだまだ試合はあるので、一戦一戦、頑張っていきたいと思う」と前を見つめた。
ジョハナ・コンタ
一方、敗れたコンタは「今日、彼女は本当に、本当にいいプレーをした。望むままにボールを動かし、私は彼女を苦しめるに十分なだけのプレーをすることができなかった。でも私は力を振り絞って戦い、今日は、これ以上のことができたとは思わない」とし、率直に土居を称えた。 準々決勝の対戦相手、ベグとはまだ対戦したことはないが、土居は「自分のほうがチャレンジャーなので、全力でやるだけ。今までの試合と同じように、自分のテニスをしっかりとコート上で表現できるようにしていきたい」と意欲を見せた。 ◇ ◇ ◇ 土居の快進撃で、錦織圭(日清食品)と合わせ、日本人が男女ともにローマの準々決勝に進出することになった。土居は錦織について、「同じ日本人であれだけトップの座をキープし、またトップ選手を崩せる存在というのは、本当にすごいと思う。単純にすごいという気持ちもあるし、同じ日本人という共通点もあるので、そういう意味では、もちろん刺激にもなる。私もできるんじゃないかという気持ちにさせてもらっている」と話す。 一方、錦織も、土居の躍進について聞かれ、「彼女は今年、すごくいいプレーをしている。とてもいいフォアを持った左利きの選手。彼女がクレーの大会でいいプレーをしているのを目にできてうれしい。彼女が(ここを含めた一連の)クレーの大会で、いい活躍をするよう祈っている」と答え、間接的にエールを交わし合った。
【女子シングルス準々決勝】※[ ]数字はシード順位
セレナ・ウイリアムズ(アメリカ)[1] vs スベトラーナ・クズネツォワ(ロシア)[9]
イリナ カメリア・ベグ(ルーマニア)vs 土居美咲(ミキハウス)
ティメア・バシンスキー(スイス)[11] vs ガルビネ・ムグルッサ(スペイン)[3]
マディソン・キーズ(アメリカ)vs バーボラ・ストリコバ(チェコ)
(テニスマガジン/ライター◎木村かや子、構成◎編集部)