愛知・岐阜を拠点に開催し、4年目を迎えたラリージャパン。WRCイベントに限らず、どのラリーにとっても開催に欠かせない存在…

愛知・岐阜を拠点に開催し、4年目を迎えたラリージャパン。WRCイベントに限らず、どのラリーにとっても開催に欠かせない存在でコースの安全や円滑な運行を支えてくれているのがオフィシャルだ。

タイムコントロール(TC)やコースで業務を行うオフィシャルは、ラリー開催エリアの多くの場所、そしてSS内に配置される。ラリージャパンのアイテナリーは朝が早いため、オフィシャルたちは夜明け前の暗いうちからコース内にスタンバイし、入念な準備を行なってくれている。そんなオフィシャルにとって大事な存在となるのが「お弁当」だ。朝早くコースに入らなくてはならないため、前もって昼食を持参することが現実的ではなく、国内のラリーでは午前と午後のループの間に通称「お弁当カー」と呼ばれる、お弁当を載せた車両がコースを回り、オフィシャルに配る業務を行なっている。

3台存在するとても大切な役割を担う車両

弁当を届ける専用車です
早朝から林道ステージに配備されるマーシャルにとっては弁当が届かないなんて許されないことですから、非常に大切な任務なのです! pic.twitter.com/hpclJM6w6t

— RallyJAPAN_ MOSCO マーシャル日記 (@m_rallyjapan) November 2, 2025

ラリージャパンでは、「LUNCH」と記載されたコースに入る車両が全3台用意され、それぞれのSSにお弁当を配っているが、そのお弁当カーの車両をドライブするのも、普段ステージを走り慣れているラリー経験者。そのうちの1台は、今シーズンの全日本ラリー選手権JN-4クラスでスズキ・スイフトスポーツを駆り、ラリー飛鳥とモントレーでクラス優勝を果たした新進気鋭の藤原友貴。そしてトラッキングに記載されたオフィシャルの配置ポイントを正確に把握しお弁当を配る位置を指示する役も、今シーズンの全日本ラリー選手権JN-2クラスで小泉敏志のコ・ドライバーを務めラリー三河湾で2位表彰台を獲得した村山朋香が担当している。





「スイーパーがコースを走ったあとにお弁当を持って、次のループのトリプルゼロカーが走り始める前に配り切ることが私たちの仕事です」と村山は語る。
「主にドライバーと、お弁当をオフィシャルさんがいるポイントに配る数を調べる係、そして配る係の3人で動く隊と、私と藤原さんのようにふたりで動く隊がいます。ラリーの期間中ですから、ルールを熟知した人が担当しています」





ひとつのステージにつきSSにお弁当を配るポイントは30カ所近くあり、お弁当の数は多い時で200個を超えるという。コースの安全を守ってくれているオフィシャルがお腹を満たせなければ、2ループ目のステージは完璧な状態で運営することはできないという自負のもと、お弁当カーを担当する村山は「午後のループがスムーズに進行できるかどうかは私たちお弁当カーの動きにかかっている」。全日本ラリー選手権を戦う選手として、安全に、迅速にオフィシャルの安らぎの時間と笑顔を届ける仕事を最終日まで行う予定だ。