<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:帝京9―0国士館>◇8日◇準決勝◇明治神宮球場 帝京が7回コールド勝ちで国士舘…

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:帝京9―0国士館>◇8日◇準決勝◇明治神宮球場

 帝京が7回コールド勝ちで国士舘を下し、6年ぶりの決勝進出を決めた。大量11安打を放ち、最後は目代 龍之介外野手(1年)の3点本塁打でサヨナラ勝ちとなった。

「エースで4番」が名門復活の原動力だ。チームは一昨年の主将を務めた西崎 桔平(現・国学院大)、夏まで主戦を張った村松 秀心投手(3年)と投打にチームを支える存在がいた。その背中を追いかけるように、新チームで投打の柱となっているのが安藤 丈二(2年)。下級生の頃からレギュラーを張っていたが「先輩から二刀流は凄く大変と聞いていた。体力作りや気持ちの面で負けないように意識してきた」と先輩のアドバイスを糧に、秋はさらにパワーアップした姿を見せている。

 この日も「4番・投手」として先発すると序盤から130キロ台の直球に「真っ直ぐの球速が上がった分、チェンジアップが活きてきた」と得意の変化球を巧みに使って国士舘打線に的を絞らせなかった。3回には、二死満塁と最大のピンチを招いたが、三振でピンチを切り抜け、流れを渡さなかった。

 4番としても初回に一死二、三塁から遊ゴロで先制点を挙げると、2点リードで迎えた3打席目に内角の直球を叩いてレフトスタンドへ運んだ。「真っ直ぐを張っていた。少しつまったけど入ってよかった」と高校通算8本目の本塁打で試合の主導権を握った。

 打球がスタンドに着弾すると、表情を崩さずダイヤモンドを一周。「試合の中では感情の起伏を抑えるようにしている。ホームラン打っても喜ぶと相手に恐怖を与えられない。試合が終わるまで平常心でプレーしている」と、冷静な立ち振る舞いをするところも、自信がついてきた証拠だ。

 主砲の活躍に金田 優哉監督も「2年生から経験していた分、安藤の存在は大きい。結果の出る待ち方をしているし、みんなも見習って欲しい」と絶対的な信頼を置いている。久しく離れた甲子園に大手をかける中、投打の柱が決勝でも大暴れすることを期待したい。