2025年シーズンWRC第13戦ラリージャパン(ターマック)は、11月8日(土)に3日目の7SSを走行し、セバスチャン・…

2025年シーズンWRC第13戦ラリージャパン(ターマック)は、11月8日(土)に3日目の7SSを走行し、セバスチャン・オジエ(トヨタ)が首位を走行。6.5秒差の2番手にエルフィン・エバンス(トヨタ)、23.6秒差の3番手にアドリアン・フルモー(ヒョンデ)がつけている。

ラリー3日目は愛知県と岐阜県をまたぐ広大なエリアが舞台。今年から導入された『オバラ(16.44km)』、岐阜県の『エナ(21.25km)』と『マウント・カサギ(21.74km)』を岐阜県中津川市のタイヤフィッティングゾーンを経てリピート。午後は午前中の3SSを逆の順番で走行し、新たに豊田スタジアム横を流れる矢作川周辺に設けられたSS14『トヨタ・シティSSS(3.05km)』で締めくくる7SS、121.91km。

2日目を終えて首位オジエと総合2番手につける勝田貴元(トヨタ)の差は7.9秒。オジエとタイトルを争うエバンスは10.2秒差の総合3番手、総合4番手のフルモーは24.0秒も離れている。前日に続き、コンディションはドライ。すべてのトップクルーがハードタイヤ5本を選んでステージへと向かった。

SS8はルート内に信号機が存在するニューステージ(SS中は止められている)。フルモーがエバンスに0.3秒、オジエとサミ・パヤリ(トヨタ)に1.6秒差をつける今回初のベストタイム。汚れた路面を警戒した勝田は3.2秒差の4番手タイムに留まり、総合3番手にドロップ。エバンスが総合2番手に順位を上げた。8番手につけていたティエリー・ヌービル(ヒョンデ)は、SS8のスタート前に駆動系のトラブルが発生。ペースを大幅に落としてステージを走り切ったものの、デイリタイアを決め、マシンをサービスに戻している。

SS9もフルモーがエバンスに3.4秒、勝田に3.9秒、オジエに4.9秒差をつける連続ベスト。オジエとエバンスの差は7.4秒、勝田との差は8.5秒に縮まった。また、勝田の後方、9.0秒差にはフルモーがつけている。総合5番手のパヤリはスタートから6.5km地点でアウト側にはらみ、バンクに左リヤをヒット。それでもベストから4.5秒差のSS4番手タイムでまとめている。





午前中を締めくくるSS10、オジエが思うようにペースを上げられずにいるなか、エバンスがこの日初の一番時計。
「スピードも自信も足りなかった。午後のループはもっと良くなることを願っているよ」とオジエは肩を落とした。これでエバンスがオジエの背後2.0秒差にまで一気に迫ってきた。勝田も2.1秒差のセカンドベストでまとめ首位との差を5.2秒としている。

恵那峡ワンダーランドにおける15分間のタイヤフィッティングゾーンを挟んだ午後のセクション。トップクルー全員が午前中と同じくハードタイヤ5本を選んでいる。

SS11、まさかのドラマが待っていた。3番手を走行していた勝田がスタートから約5km地点の笠置山モーターパークに設けられたジムカーナセクションで左リヤをガードレールにヒット。そのまま反動で右フロントをバリアに当ててしまう。勝田は右フロントに大ダメージを負い、パワーステアリングを失った状態で走り続け総合7番手までポジションを落とした。





このステージはエバンスがオジエに0.6秒、フルモーに3.9秒差のベストを刻み、首位オジエとの差を1.4秒に縮めた。また勝田が脱落したことでフルモーが総合3番手、パヤリが総合4番手、オィット・タナック(ヒョンデ)が総合5番手に順位を上げている。

SS12はオジエがエバンスに0.3秒、フルモーに2.1秒差をつけ、この日初のベストタイム。首位オジエとエバンスの差は1.7秒と、わずかに拡大した。前のステージで右フロントに大ダメージを負った勝田は、ロードセクションでマシンを修理。5分40秒のペナルティを受けてステージをスタートしている。続くSS13はオジエがフルモーに2.0秒、エバンスに3.2秒差をつける連続ベスト。後半のセクションでスピードを取り戻したオジエが、エバンスとの差を4.9秒差に広げている。

この日を締めくくるのは豊田スタジアムのスーパーSSに代わって新たに導入された、SS14『トヨタ・シティSSS』。日がとっぷりと暮れるなか、ロバンペラを先頭にライトポッドを装着したラリーカーが闇を引き裂いて駆け抜けていく。大観衆の歓声を背に美しいドーナツターンを決めて一番時計をマークしたのは首位のオジエ。2番手で追うエバンスに1.6秒差をつけ、その差を6.5秒差に拡大しデイ3を走り切った。

23.6秒差の総合3番手はフルモー、45.4秒差の総合4番手にはパヤリ、2分34秒5差の総合5番手にタナックがつける。ダメージを負ったまま走行を続けていた勝田は、TC12の段階でタイムオーバーのため、デイリタイアに。しかし、競技長通達はSSのスタート後に発行されており、勝田は集まった日本のファンのため、SS14で力走を披露している。





競技4日目はSS15〜SS20の5SS、SS走行距離は72.38km。オープニングのSS15は、11月9日の8時39分にスタートする。

WRCラリージャパン SS14後暫定結果
1. S.オジエ(トヨタGRヤリス・ラリー1) 2:32:55.0
2. E.エバンス(トヨタGRヤリス・ラリー1) +6.5
3. A.フルモー(ヒョンデi20 Nラリー1) +23.6
4. S.パヤリ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +45.4
5. O.タナック(ヒョンデi20 Nラリー1) +2:34.5
6. G.ミュンステール(フォード・プーマ・ラリー1) +4:39.6
7. K.ロバンペラ(トヨタGRヤリス・ラリー1) +6:27.9
8. O.ソルベルグ(トヨタGRヤリス・ラリー2) +6:40.6
9. A.カション(トヨタGRヤリス・ラリー2) +7:54.9
10. N.グリアジン(シュコダ・ファビアRSラリー2) +8:21.8