サンパウロGPで、マシンがクラッシュし、スピードも上げきれなかった角田(C)Getty Images 去就問題に揺れ、残…

サンパウロGPで、マシンがクラッシュし、スピードも上げきれなかった角田(C)Getty Images
去就問題に揺れ、残留を目指している男にとって、厳しい結末となった。
現地時間11月7日にブラジル・サンパウロで行われたF1第21戦のサンパウロGPのフリー走行(FP)で、レッドブルの角田裕毅は、FP1でいきなりマシンをクラッシュさせるなど全体最下位の20位と低迷。スプリント予選1回目(SQ1)でも18番手に終わった。
【動画】一体なぜ? グリップ不足に不満が爆発した角田のクラッシュシーン
今季で契約満了となる角田は自身が希望するレッドブル残留に向け、猛アピールが求められ続けている。だが、どうにも“結果”が出ない。このFP1のセッションでも開始から約8分後に迎えたターン4でマシンのコントロールを利かせられずにコースオフ。そのままウォールに直撃した。
自力でコースに復帰し、ピットに戻ったものの、フロントウイングとリヤウイングを損傷。なんとか修復したが、ライバルマシンがタイムを上げる中で差は開いていき、ついにはFP1で20番手まで数字を落とした。
レース後にF1公式サイトのフラッシュインタビューに応じた角田は、「FP1の結果自体は結構、良かったんだ。ショートランもロングランもある程度できた」と結果とは裏腹に手応えがあったと吐露。その上でマシンに対する苛立ちを隠そうとはしなかった。
「予選のアタックもまあまあ。いつも通りだったと思う。ラップ自体も悪くはなかった。でも、正直に言うと、全体的にグリップの不足がかなり謎なんだ。今はどこが悪かったのか、何が足りないのかが、はっきりと分からない。僕としてはマシンに何か原因があるのではないかと考えざるを得ないよ。なぜそうなるのか、全く理解できない」
角田の抱いた「不満」は、同僚も同様に持っていた。スプリント予選で6位と低迷したマックス・フェルスタッペンは、「マシンの受ける振動が酷くて、乗り心地にも問題があった。これは僕らが望んでいる状態じゃない」と指摘。「グリップが全くない。中間セクターが機能していないからマシンを曲がらせることができない。それに、リアタイヤも頼りにならないし、かなり貧弱だ」と嘆いた。
一方で上層部からは厳しい声が飛んだ。英衛星放送『Sky Sports』でローラン・メキース代表が「もう彼(角田)に隠れる場所なんてない。セッション内容はあまり良くなかったと思う。走行時間が足りないと自信も失ってしまうし、クリーンなアタックもできなかった」と断言。
また、チームアドバイザーを務めるヘルムート・マルコ博士も「ユウキの走行時間は足りなかったし、(フェルスタッペンとの)タイム差も非常に接近していた」と前置きした上で、次のように論じた。
「ただ、それでも我々はユウキに少なくともSQ2に進出してほしいと思っていた。でも、今日の彼はそうならなかった。それが今の彼の置かれた現実だ」
このサンパウロGPも含めて、泣いても笑っても残り4戦。来季ラインナップ発表を延期する意向を明らかにしているレッドブル首脳陣は、最終的にどのような決断を下すのか。厳しい言葉を受けた角田が絡む構想の行方が注目される。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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