11月14日にガーナ代表(豊田スタジアム)、18日にボリビア代表(国立競技場)と対戦するサッカー日本代表。6日に発表さ…

11月シリーズ日本代表の予想布陣

 11月14日にガーナ代表(豊田スタジアム)、18日にボリビア代表(国立競技場)と対戦するサッカー日本代表。6日に発表された招集メンバー26人の布陣を整理する。

【画像】第二次森保ジャパンの全試合フォーメーション図

 森保一監督は今年最後の代表活動となる11月シリーズに向けて26名を招集。主力に怪我人が多いこともあり3人を初招集する一方、11月16日に天皇杯セミファイナルを戦うFC町田ゼルビア、FC東京、ヴィッセル神戸、サンフレッチェ広島に所属する選手たちには声をかけなかった。

 ポジション別に見ていくと、GKはもちろん鈴木彩艶(パルマ)が一番手で、早川友基(鹿島アントラーズ)、そして初招集の小久保玲央ブライアン(シント=トロイデン)という序列。小久保に関して森保監督は「パリ五輪での活躍、シントト=ロイデンで昨季と今季ほぼレギュラーとして出続けていること、中心選手としてパフォーマンスを発揮しているところを見て招集をしている」とコメントしている。

 最終ラインは、相変わらず伊藤洋輝(バイエルン)、高井幸大(トッテナム)、町田浩樹(ホッフェンハイム)、冨安健洋(無所属)が怪我やコンディション不良で不在。それでも10月シリーズを辞退したディフェンスリーダーの板倉滉(アヤックス)が復帰したのは朗報だ。この板倉、10月シリーズで一気に評価を高めた渡辺剛(フェイエノールト)、鈴木淳之介(コペンハーゲン)とのトリオがファーストセットだろう。谷口彰悟(シント=トロイデン)を中央に入れ、右に板倉というパターンもあるか。瀬古歩夢(ル・アーヴル)と安藤智哉(アビスパ福岡)も出場機会を伺う。

 ボランチは、守田英正(スポルティング)が、「戦列復帰しているが、まだコンディションが上がりきっていない」(森保監督談)として4シリーズ連続の選外。一方で10月シリーズを怪我で辞退したキャプテンの遠藤航(リヴァプール)が復帰した。鎌田大地(クリスタル・パレス)はボランチとシャドーで併用されてきたが、守田不在時にビルドアップに質をもたらせる唯一の存在だけに、今シリーズはボランチが主戦場か。遠藤&鎌田を軸に、田中碧(リーズ)、佐野海舟(マインツ)、藤田譲瑠チマ(ザンクトパウリ)の3人が状況に応じて起用されそうだ。

久保のコンディションはいかに?

初招集された後藤啓介。(C)Getty Images

 右WBは10月のブラジル戦で故障した伊東純也(ヘンク)が選外となり、堂安律(フランクフルト)が主戦。この背番号10がシャドーに回れば、菅原由勢(ブレーメン)と佐藤龍之介(ファジアーノ岡山)に出番が回ってくるだろう。

 左WBは三笘薫(ブライトン)が怪我で2回連続の選外。一番手が中村敬斗(スタッド・ランス)、二番手が前田大然(セルティック)という序列だろう。ただ、前田も故障明けだけに、層の薄さはやや気がかりだ。

 ちなみに、今夏に移籍したレッドブル・ザルツブルクで、公式戦17試合で4ゴール・4アシストと結果を残して初招集された北野颯太(レッドブル・ザルツブルク)は、2列目を主戦場とするテクニシャン。ただ、森保ジャパンはアタッカー系をWBで起用するケースが多く、北野もシャドーが基本になるだろうが左WB起用もなくはない。指揮官も「今はザルツブルクの戦術に非常に順応してきており、アグレッシブに攻守に関わりながら、得点チャンスに絡むシーンも増えている」とインテンシティーの高さを評価している。

 シャドーは、久保建英(レアル・ソシエダ)と南野拓実(モナコ)がもちろん核。ただ、久保は9月シリーズで足首を痛めてからコンディションが安定していない。森保監督は「(プレー)できるという判断で招集させていただいている。直近の試合のプレーを見て、キレ自体は間違いなくあったし、クオリティーもあったと思う」と語っているが、11月1日に試合復帰したばかりであり、2試合でフル稼働するのはさすがに難しいか。そのため堂安、鎌田、町野修斗(ボルシアMG)というマルチロールをシャドーに回す機会も十分にありそうで、初招集の北野にもチャンスはあるだろう。

 CFは10月シリーズで2試合連続ゴールを挙げた上田綺世(フェイエノールト)がエースで、小川航基(NECナイメヘン)と町野が続くここ最近と同じ序列。そこに森保監督は、20歳の後藤啓介(シント=トロイデン)を初招集して新風を吹かせてきた。

 後藤は191cmと今回のフィールドプレーヤーでは最もサイズに恵まれ、足下のテクニックにも定評がある逸材だ。指揮官は「どういう素質があるか、どういう成長をしているかを我々も追ってきた。アンデルレヒトでなかなか出場機会には恵まれていなかったが、今はシント=トロイデンでレギュラーを掴んでいる。得点力は魅力だと思うが、試合の流れ全般に関わるところ、運動量の多さも良さだと思う」と語っており、北野と並んで北中米W杯に向けた秘密兵器になる可能性を秘める。出番が与えられれば必見だろう。

 9月シリーズは大きなターンオーバー、10月シリーズは可能な限りメンバーを固定と、直近の森保監督は異なるアプローチで2試合を戦ってきた。年内最後の代表活動であるこの11月シリーズは、どんな戦略を立て、どんなメンバーをピッチに送り出すのか。注目したい。

(ABEMA/サッカー日本代表)