朝日新聞社と日本高校野球連盟は7日、今夏の第107回全国高校野球選手権大会の運営委員会を開き、今大会で実施した暑さ対策…

 朝日新聞社と日本高校野球連盟は7日、今夏の第107回全国高校野球選手権大会の運営委員会を開き、今大会で実施した暑さ対策などについて代表49校のアンケートを公表した。

 暑さのピークの時間帯を避けた「2部制」は昨年より日程が拡大し、大会第1~5日に行われた。史上初めて午後4時から開会式が行われた。この「夕方開幕」について「とても効果があった」「効果があった」という回答が計45校(92%)だった。

 理由について「日陰が多く適切だった」「気温の面ですごくやりやすかった」などの声があった。2部制は今夏が導入2年目。「心配ごとがかなり軽減した」などの感想があった。

 午前8時から2試合、午後4時15分から2試合を行う4試合日の2部制のスケジュールについては、29校(59%)が「適切だった」とし、9校(18%)が「適切ではなかった」だった。

 ただ、第4日の第4試合終了が午後10時46分になったこともあり、「教育的配慮の観点から高校野球で遅くまでやることはどうなのかと疑問を持った」「応援団の解散時刻が遅くなり、大変だった」などの声があった。ほかには、「第1試合の開始(午前8時)が早すぎる。選手の体調管理が難しい」という意見があった。

 また、2部制の第2、第4試合は規定の時刻で終わらない場合に継続試合とする運用については、「試合の進行具合や時刻が気になった」という回答が約6割を占め、「翌日に試合終盤のみ行うのはかえって選手・応援団の負担が増す」などの回答があった。

 来夏以降の2部制のあり方は「今大会と同程度の日数で実施」は15校(31%)、「3試合での2部制を実施すべきだ」は12校(24%)、「今大会より多い日数で行うべきだ」は9校(18%)と続くなど、8割以上が何らかの形で2部制の維持に賛成だった。「行う必要はない」は5校(10%)だった。

 選手の熱中症疑いは計24件(昨年比34件減)だった。観客の救護室の受診者は331人(同148人減)、うち熱中症疑いは155人(同128人減)。大会序盤の気温が昨年に比べて低かったことなどが影響しているとみられる。

 全試合で用意された補食は「あってよかった」が47校(96%)だった。

 日本高野連の井本亘事務局長は「49校の生の意見を、来年以降にうまく生かせたら」と話した。

 ■暑さ・健康対策に関するアンケートで出た意見など

●夕方開幕

・早朝に起きる必要がなく負担軽減に

●2部制

・4試合目は非常にプレーしやすい環境で応援団からも気持ちよく応援できたと聞いた

・(第4試合は試合終了が遅くなり)就寝が深夜になり、生徒の生活習慣にとって良くないと感じた

●継続試合

・夕方の部の開始を繰り上げるべきだ

・(時間が気になって)目の前の試合に集中できない

・(継続試合になる可能性のある)第2試合、第4試合のチームだけ時間を気にするのは平等性に欠ける