大谷からの言葉に安堵したというロハス(C)Getty Images 文字通り起死回生の一打だった。現地時間11月1日に行…

大谷からの言葉に安堵したというロハス(C)Getty Images

 文字通り起死回生の一打だった。現地時間11月1日に行われたブルージェイズとのワールドシリーズ第7戦で、9回表に飛び出したミゲル・ロハス(ドジャース)の同点ソロアーチだ。

【動画】9回1死から起死回生!ロハスの同点ホームランを見る

 球団史上初の“世界連覇”をグッと手繰り寄せた。ドジャースが3-4とリードされた9回一死無塁で打席に入ったロハス。この試合まで今シリーズでノーヒットともがいていた36歳は、相手守護神ジェフ・ホフマンに対して、「ホームランは狙っていなかった」とコンパクトなスイングで三振しまいと粘る。

 好球必打の姿勢で、“その一球”を狙い続けた。そしてロハスはフルカウントからの6球目、内角低めへのスライダーを強振。高々と舞い上がった打球はあっという間に左翼フェンスを越え、値千金の同点ホームランとなった。

 ベテランの意地の一振りで流れを掴んだドジャースは、11回にウィル・スミスのソロアーチで勝ち越し。強打のブルージェイズを打ち破った。

 土壇場で飛び出したドラマチックな同点の瞬間、当人は何を思っていたのか。ワールドシリーズ制覇から5日が経過した現地時間11月6日に米ポッドキャスト番組『Chris Rose Sports』に出演したロハスは「これまでの人生で一番クールな出来事の一つだったね」と回想している。

「ホームランを打ったら、チームメイトたちが、もうダグアウトのすぐ前まで出てきていたんだ。それでダグアウトに戻ってきてバックスタンドの傍にヘルメットを置いていたら、ショウヘイが俺のところにやってきて、俺にハグしながらこう言ったんだ。『ねぇミギー、君は来年引退できないよ。あと10年、僕と一緒にプレーするんだ』ってね」

 大谷翔平からの言葉に「ホッとした」というロハスは、「俺は『もう年だから、あと10年プレーできるかどうかわからないけど、来年は絶対に君とプレーする』って答えた」と語る。左胸郭に痛みを抱えながらも奮起した苦労が報われた瞬間だった。

 満身創痍の状態だった。それでも世界一のために粉骨砕身でプレーし、希望を繋ぎとめたロハス。今オフにはFAとなるが、引退までの1年をふたたびドジャースで送れるかが注目される。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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