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■ゲームチェンジャーとなったカリーはマイヤーズ前GMへ感謝


 11月4日(現地時間3日、日付は以下同)。ロサンゼルス・レイカーズのレブロン・ジェームズと、NBAレジェンドのスティーブ・ナッシュ(元フェニックス・サンズほか)がホストを務めるポッドキャスト番組“Mind the Game”の最新エピソードが公開。今回はゲストにステフィン・カリー(ゴールデンステイト・ウォリアーズ)が登場し、『The Stephen Curry Interview (Part 1)』と題されたエピソードでトークを繰り広げた。

 レブロンとカリーは、これまでレギュラーシーズンとプレーオフで何度も戦ってきた好敵手で、2024年夏のパリオリンピックではアメリカ代表でチームメートになり、金メダルを獲得。現在古巣サンズでシニアアドバイザーを務めるナッシュは、現役時代に彼らと対戦し、ウォリアーズではコンサルタントを務めた経験も持つ。

 キャリア17年目のカリーは、今シーズンもここまで8試合に出場して平均26.8得点3.6リバウンド4.3アシスト1.5スティールでウォリアーズをけん引。代名詞でもある3ポイントシュートは平均11.3本を放ってリーグ3位の4.4本を沈めており、成功率も38.9パーセントとまずまず。

 37歳のスーパースターは、通算3ポイント成功数でレギュラーシーズン(4093本)とプレーオフ(650本)の両方でいずれもNBA歴代トップを誇る。シーズンにおける通算成功率42.29パーセントでも同14位の高精度で、今シーズンもその実力は健在。

 3ポイントでNBA、さらにはバスケットボール界へ革命をもたらしたカリーが、自身の影響力を認識し始めたのは、2018年にトレイ・ヤング(アトランタ・ホークス)がNBA入りしてきた時だったという。

「トレイ・ヤングがリーグにやって来た時だね。最初に“次の”僕だと言われたのが彼だったんだ。彼は僕とは違う選手だけど、彼のことは高校時代から知っている…。その時初めて、自分の影響力について考えたり、本当に理解したりしたんだと思う」

 キャリア最初の6シーズンで、カリーの3ポイント試投数は最大で平均8.1本。2014-15シーズンに平均8.1本放って3.6本を沈めて成功率44.3パーセントの高確率を残し、初優勝を飾った。それが翌2015-16シーズンには平均11.2本に増加。それでも平均5.1本をリングへ沈めて成功率45.4パーセントをたたき出し、NBA歴代最多となる1シーズン402本の成功数を残している。

 2011-12から2013-14までの3シーズンでウォリアーズの指揮官を務めたマーク・ジャクソンは、若手選手たちがこぞって3ポイントを繰り出していたことで、2015年に『ESPN』で「(カリーが)ゲームを台無しにした」と話していたのだが、レブロンは笑いながらこう語っていた。

「マークは気づいていなかったが、リーグを台無しにしたのは彼自身だってことさ。今は誰もが3ポイントシュートを打つ。みんなさ。1試合に60本、50本もな。それは全部ステフなんだ。全部ステフのお陰さ」

 5日を終えた時点で、NBA全30チームの1試合平均3ポイント試投数は37.2本。昨シーズン(平均37.6本)に続いて歴代2位の本数で、どの試合でも長距離砲が飛び交っている。

 ナッシュは、カリーの3ポイント試投数が2014-15シーズンの646本から翌2015-16シーズンに886本まで急上昇したことを指摘し、こう口にしていた。

「3ポイントの試投数が200本も増えた。あるシーズンから次のシーズンにかけてね。そしてリーグ全体がそれに続いていったんだ。デイミアン・リラード(ポートランド・トレイルブレイザーズ)とクレイ・トンプソン(ダラス・マーベリックス)だ。今では、ロスターにいる3、4人がシーズン中に何百本もの3ポイントシュートを打つのも珍しくない」

 その代表格となったカリーは“ゲームチェンジャー(変革者)”と称されている。自他ともに認める史上最高の3ポイントシューターは、そのキッカケとなったウォリアーズの元ゼネラルマネージャー(GM)、ボブ・マイヤーズとの会話を明かした。

「ボブ・マイヤーズ(元ウォリアーズGM)が最初に僕へ『1試合で3ポイントを15本打つべきだ』と言ってきた。その時の僕は『何だって? 良いシュートチャンスから12本もショットを決めるのがどれだけ大変か知っているの?』って思ったよ。でも彼は『なぜダメなんだ? 計算上、15本も3ポイントを決められるのは素晴らしいことじゃないか』と言ってきたんだ。確かに、バスケットボールは劇的に変化したね」

 カリーは自らボールを保持して3ポイントを放り込むだけでなく、オフボールで動き回ってからチームメートのパスを受けてクイックリリースで決め切るため、37歳となった今でも相手チームを悩ませている。

 これから先、カリーが3ポイントの記録をどこまで伸ばしていくのかも注目したいところだ。

【動画】これまでにカリーが沈めてきた驚異的な3ポイント集!