2025年11月2日、J2リーグ第35節、ヴァンフォーレ甲府対水戸ホーリーホックの試合がリサイクルインクスタジアムでお…
2025年11月2日、J2リーグ第35節、ヴァンフォーレ甲府対水戸ホーリーホックの試合がリサイクルインクスタジアムでおこなわれた。試合は、0-1で水戸が勝利した。水戸はこの勝利で勝ち点を67にのばして首位を守った。2位のV.ファーレン長崎がジュビロ磐田に0-1で敗れたことから、水戸との勝ち点差は4に開いた。
■人数をかけて固く守る=攻撃の際に…
甲府のフォーメーションは「3-4-2-1」で、ワントップのネーミアスにボールを集めたい。今シーズン初スタメンの一瀬大寿は“大型ストッパー(186cm)”として来季を見据えての起用だろう。
一方の水戸のそれは「4-4-2」のいつもの形である。スタティングメンバーもここ数試合は特に変えていない。
水戸の特徴は、ビルドアップのやり方にある。スタートは4バックなのだが、ビルドアップの際には、最終ラインを3枚にしてボールを回していく。左サイドバック(以下、SB)の大森渚生がステイして、センターバック(以下、CB)の鷹啄トラビスと板倉健太の3枚でビルドアップを開始する。あるいは、ボランチの山崎(※崎はたつさき)希一が2人のCBの間に降りてきて3枚になり、最終ラインを作ってボールを回すかである。ワントップの甲府は、水戸が3枚でボールを回すのでプレスがハマりにくい。
甲府の守備はウイングバック(以下、WB)が最終ラインに入ってきて5バックになって「5-4-1」の形で守備をするので、人数をかけて非常に固く守ってくる。この守備から見えてくるメリットは、大量失点をするチームではないということだ。しかし、人数をかけて守ってくる分、守備から攻撃に移った際に、ペナルティエリアの中に味方の人数が足りない場面をしばし見かける。ポケットのエリアまでボールを運んでも、ペナルティエリアに人が少ないので、攻撃をやり直さなければならなくなる。その間にボールを奪われて再び守備に戻ることになる。したがって、決定的なチャンスの場面がなかなか作れない。
■「引いて守る」甲府にとっての脅威
試合内容を見れば、水戸の決定的なチャンスは45分に決勝点となった加藤千尋のシュート場面くらいだ。あの場面以外は、甲府がしっかりと守っていた。水戸は後半から奥田晃也を下げて山本隼大をピッチに送った。ゲームの流れを作れる奥田を最初に使って、パワーがある山本を後半に出場させる。特に、人数をかけて守ってくる甲府には、山本のロングシュートやカットインからのミドルシュートは、相手にとって脅威になる。
なぜなら、甲府は引いて守っているので、遠い距離からシュートを打たれると、前に出てきてプレスに行かないとならない。そうすると、固く守っていたブロックを外して守備に行くので、攻撃のスペースが生まれることになるのである。
甲府は、56分に佐藤和弘に代えて田中雄大を起用する。田中の起用によって、攻撃シーンに田中が顔を出すようになり、甲府にチャンスが生まれ始める。試合終了前は、水戸がラインを下げて守りに回ったことから、甲府のパワープレーで得点の機会が起こる。小林岩魚のクロスに田中が飛び込むが、ゴールまでは至らない。紙一重の攻防と映った試合だったが、実際は、甲府は今のやり方だと失点はしないが、得点は奪えないチームである。そんな試合運びを続けていては、今の順位から上位に行くことは難しい。
記事後半では、試合をシーンごとに詳細に分析していこう。