歩み寄ったパヘスに涙目になりながら語りかけるキケ(C)Getty Images 2年連続での世界一を決めたドジャース。だ…

歩み寄ったパヘスに涙目になりながら語りかけるキケ(C)Getty Images

 2年連続での世界一を決めたドジャース。だが、ブルージェイズとの“最終決戦”で、ナインは「負け」を覚悟していたという。

 現地時間11月1日に行われたワールドシリーズ第7戦はスリリングな展開が続いた。1点ビハインドで迎えた9回表の攻撃で、1死からミゲル・ロハスの起死回生のソロ本塁打で何とか追いついていたドジャースは、その裏に2死満塁と一打サヨナラ負けのピンチを迎えた。

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 長打はもちろん、単打でも優勝を逸する可能性があった。そんな場面で打席に入ったのは、今シリーズで率.387と打ちまくっているアーニー・クレメント。ドジャースナインの緊張感は否応なしに高まっていた。

 ただ、ここで一世一代のファインプレーが飛び出した。初球から捉えたクレメントがかち上げた打球は高々と舞い上がって左中間へ。左翼手の“キケ”ことエンリケ・ヘルナンデスと、同イニングの一死満塁の場面から守備に就いていた中堅手のアンディ・パヘスが懸命に打球を追走し、最後は衝突しながらも身体をめいっぱいに伸ばした後者がキャッチした。

 仮に落球するか、もしくは打球に双方のグラブが届いていなければ、サヨナラ負けは必至だった。ゆえにキケは、「負けたと思った」という。パヘスとぶつかってからしばらくグラウンドにうずくまっていた34歳は、試合後に米スポーツ専門局『ESPN』で、当時を次のように回想している。

「俺はウィリー・メイズみたいに背面キャッチをやろうと思っていた。そしたらパヘスにタックルされたんだ。完璧に吹っ飛ばされたから、瞬間的に負けたと思ったんだ。あの時に立てなかったのは、負けたと思ったから、ただ打ちひしがれていたからだ」

 自分の落球が原因となって負けたのか――。そんなやりきれない思いに駆られたキケの下に歩み寄ったのは、すでにボールを手にしていたパヘスだった。

「あいつが近づいてきて、『おい、大丈夫か?』って聞くんだ。だから、咄嗟に『そんなのどうでもいいよ。ボールを取ってるのか?』って聞き返したんだ。そしたら『もちろん』って。だからもう、『よっしゃ! 行くぞ!』って感じだった」

 二人の決死のプレーが呼び水ともなって、勢いを取り戻したドジャースは11回表にウィル・スミスのソロ本塁打で逆転。21世紀に入ってから史上初となるワールドシリーズ連覇を飾った。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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