近本は阪神が誇るリードオフマンとしてチームをけん引してきた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext 野球評…

近本は阪神が誇るリードオフマンとしてチームをけん引してきた(C)KentaHARADA/CoCoKARAnext
野球評論家の佐野慈紀氏が現在の野球界を独自の視点で考察する「シゲキ的球論」。今回はまもなく本格化するFA戦線で注目の阪神・近本光司の去就にスポットを当てる。
今季のFA有資格者が権利行使のための申請が10月31日からすでに始まっている。有資格者は11月11日までに在籍球団に意思を伝えれば、翌12日に宣言行使選手として公示され、他球団と交渉が可能となる。
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選手にとっては長年頑張った証であり、近年はファンも選手の意思を尊重する流れもある。
まず近本に関して「トップバッターとしては最高のバッター。近年も『近本のタイガース』というぐらいキーマン」の選手であると認める。
関西学院大、大阪ガスから2018年ドラフト1位入団。ルーキーイヤーの19年から長嶋茂雄氏が持っていた153安打のセ・リーグ新人記録を塗り替える159安打を放つなど、頭角を現した。
21年は178安打で最多安打のタイトルを獲得、今季も32盗塁で4年連続6度目の盗塁王に輝くなど衰えない足も持ち味。DeNAと戦ったCSファイナルS初戦でも三盗を決めるなど、勝負どころでチームの背中を押してきた。
プロ7年目となった今季は140試合に出場、打率.279、3本塁打、34打点。プロ7年間で通算打率.288と高いアベレージも光る。
チームに欠かせない人材であると認めながら、佐野氏は懸念する点についても言及。「少しネックなのは守備の部分ですよね。肩の力が平均よりはちょっと落ちてしまうのでね。ほかのチームがどう判断するのか」と分析。
さらにセ・パの違いについても言及。「近本のようなバッターを求めているチームがあるのかと考えた時に、僕はまずパ・リーグにはないと思うんですよね」と話す。
具体的には「セ・リーグは阪神に代表されるように『1回から9回までなんとか必死に守ろう』という野球。対してパは『チャンスが来た時に畳みかけよう』という野球ですね」と、アグレッシブなプレースタイルが求められるとした。
近本はパ・リーグの野球にはフィットしないと見る中、今季もセ・リーグでは阪神がぶっちぎりの優勝と無類の強さを発揮したとあって、「そこに何か、相当のモチベーションがなければ、移籍しようという風にはなりませんよね」とセ・リーグのほかの球団が獲得に乗り出しても、気持ちが動かないのではと考察。
「ましてや、関西で育ってきたということもあれば、なかなか関東のチームに移籍というのはあまり魅力を感じないのでは」と見解を明かした。近本は兵庫県、淡路島出身、大学、社会人も含めて、関東のチームに在籍したことはない。
一方でタイガースのチーム事情にも言及。
「まだ、近本の座をおびやかす若手が育っていない。日本一奪取という目標も残っている」と"宿題"も残っているとしながら、「そういう意味でも、タイガースで野球をやる意義を感じられると思います。年俸面でも納得できる額が提示されるのでは」と続けた。
佐野氏は近本に関して将来の幹部候補生と認めた上で、現時点で背番号5の去就に関して「僕の見立てでは残留する」と話した。
チームにおいては昨年も主軸の大山悠輔がFA宣言、結局宣言残留となるも伝統の一戦の相手、巨人とし烈な争奪戦をくり広げたことも記憶に新しい。
果たして猛虎が誇るプリンスは来季も縦縞のユニホームに袖を通しているのか。今後の決断に注目が高まりそうだ。
【さの・しげき】
1968年4月30日生まれ。愛媛県出身。1991年に近鉄バファローズ(当時)に入団。卓越したコントロールを武器に中継ぎ投手の筆頭格として活躍。中継ぎ投手としては初の1億円プレーヤーとなる。近年は糖尿病の影響により右腕を切断。著書「右腕を失った野球人」では様々な思いをつづっている。
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