(2日、第145回秋季中国地区高校野球大会決勝 崇徳5―0高川学園) 九回2死、優勝までアウト一つ。崇徳(広島)のエース…

(2日、第145回秋季中国地区高校野球大会決勝 崇徳5―0高川学園)

 九回2死、優勝までアウト一つ。崇徳(広島)のエース・徳丸凜空(りく)投手(2年)は、マウンドで大きく息を吐いた。

 今夏の広島大会決勝。徳丸投手は九回2死から広陵に同点打を浴び、優勝を逃した。「目の前の打者と捕手しか見えていなかった」。その光景が一瞬、頭をよぎった。

 だが、この日は違った。高川学園(山口)の応援席や観客を眺める余裕があった。最後の打者を一ゴロに打ち取り、前日の準決勝に続く完封で優勝を決めた。

 徳丸投手は今大会全4試合を完投し、失点1の投球。なかでもギアを上げるのが五回だった。「グラウンド整備前のイニングなので、抑えれば流れが来る」。4試合で奪った26三振のうち、3分の1の9個を五回に積み上げた。

 この日も五回1死一塁から2者連続三振。新村瑠聖捕手(同)の要求通り内角直球を投じ、空振り三振で締めると、小さくガッツポーズを作った。

 夏の敗戦翌日。新チーム最初のミーティングで目標を決めた。「中国大会でてっぺんをとって神宮大会へ行く」。目指した頂に、強くなったエースがチームを導いた。(相川智)