◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント最終日(2日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6690yd(パー72)◇…
◇国内女子◇樋口久子 三菱電機レディスゴルフトーナメント最終日(2日)◇武蔵丘GC(埼玉)◇6690yd(パー72)◇曇り(観衆5641人)
8月の誕生日を迎える前からだろうか。河本結は体に変化を感じるようになった。若手の台頭が著しい昨今、27歳は中堅から、いよいよベテランの域に足を踏み出そうかという頃。先輩プロに話を聞いてもやはり、女性の肉体はこの時期に変わり始めたという。「そうしたら、“さく”もケガをして…」。同世代の鉄人・小祝さくらの手首の故障によるシーズン半ばの離脱は、その感覚をさらに裏付けるものになった。
二十歳前後の選手たちがラウンド後に意気揚々とドライビングレンジに向かう姿を見て、河本はグッとガマンする。余った体力と翌日のゲームを考えれば、居残り練習はパッティングやウェッジを振るくらいに留めたい。残りシーズンがわずかになったタイミングであれば、なおさら省エネに努めなければならない。
前日午後もラウンドを終えると、女性マネジャーと連れ立ってバッティングセンターでリフレッシュした。「球速が75キロの打席しか空いていなくて物足りなかった」と嘆きつつ40スイング。身体にパワーがみなぎらずとも、河本にはこれまで培った経験がある。10位で迎えた最終日のプレーはそれをいかんなく発揮したもの。「普通に、淡々とこなした結果」、出だし1番(パー5)から2連続バーディを奪い、優勝争いに割り込んでみせた。
「もうちょっとバーディチャンスが多ければ、スコアを伸ばせたかな」と振り返る内容で5バーディ「67」。通算12アンダーは初優勝を飾った仲村果乃に最後にプレッシャーをかける存在となり、「大崩れすることなく終われて良かった」と2位フィニッシュを冷静に振り返った。
年間ポイントレース(メルセデスランキング)は3位のまま、ともに今大会を7位で終えたランク1位の佐久間朱莉との差を676.83ptに、同2位・神谷そらとは135.36ptに詰めた。「この時期に来ると1打、2打の差が年間ランキングにすごく響く。先週は朱莉ちゃんが優勝して離されたので、少しでも近づけるようにと思って」と虎視眈々と上を狙う。
次週は米ツアーを兼ねた「TOTOジャパンクラシック」。滋賀・瀬田GCには京都府内から通うつもりで、「神社に行けたら行こうかな」とリラックスタイムを再び設けるつもりでいる。「メンタルが行き詰まるので。リフレッシュして、試合に集中するメンタルコントロールで残り試合は戦っていきたい」
米女子ツアーの日本人選手5人が出場した「スタンレーレディスホンダ」で今季2勝目をマークしたのが3週前。「(TOTOジャパンには)海外の選手も、日本人でアメリカに挑戦する選手も来る。JLPGAの意地をもう一回見せようかなと思います」。闘志は静かに燃やしている。(埼玉県飯能市/桂川洋一)