「駅伝に詳しすぎるアイドル」として知られる元NGT48の西村菜那子さん(28)は、プライベートでも駅伝の大会や練習に足…

 「駅伝に詳しすぎるアイドル」として知られる元NGT48の西村菜那子さん(28)は、プライベートでも駅伝の大会や練習に足を運ぶ。長距離リレー競技である駅伝の魅力とともに、11月2日に開催される第57回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)の順位予想や見どころなどを語った。(聞き手・小松隆次郎)

■全日本大学駅伝の特徴は?

――駅伝を好きになったきっかけと、駅伝の魅力を。

 両親が好きで、一緒に箱根駅伝をテレビで見ていました。中学生のとき、東洋大の柏原竜二さんが、往路最終の5区で活躍する姿を見て「山で順位をこんなに変えられるんだ」と興味が深まり、いろいろな選手を調べていくうちに、マニアになっていました。

 箱根駅伝の選手は5キロを13分半ほどで走ってしまいます。皇居1周(約5キロ)が15分もかからないんですよ。球技などはやっていないとわからないすごさがあると思うんですけど、走ることは多くの人が経験していて、競技のすごさが伝わりやすい。それが駅伝の魅力だと思います。

――大学3大駅伝の一つ、全日本大学駅伝が11月2日に開催される。

 全国各地区の選考会を勝ち抜いたチームが競い合うという点で、「真の大学日本一決定戦」だと思います。大学駅伝といえば、(関東学連加盟の大学が競う)箱根駅伝のイメージが強いのですが、全国のチームの走りを見られることが全日本大学駅伝の最大の魅力です。

 距離は8区間106.8キロ。出雲駅伝(6区間45.1キロ)と箱根駅伝(10区間217.1キロ)の中間になります。10キロを切る区間もあれば、20キロ近い区間もあります。平坦(へいたん)な区間も、アップダウンの激しい区間もあり、選手のいろいろなポテンシャルが生かされるコースになっています。アンカーで順位が変わることが多いところも、魅力の一つです。

■西村菜那子の「詳しすぎる」解説

――10月13日の出雲駅伝で連覇した国学院大が、全日本大学駅伝でも昨年に続いて連覇を狙う。展開や順位の予想は?

 国学院大が戦力的に充実していて、1位になると予想します。出雲の3区で野中恒亨(ひろみち)選手(3年)が、留学生など各大学のエースを相手に区間2位に。しかも、普通の選手であれば留学生の後についていく作戦を選びがちなんですが、むしろ先頭に立って留学生たちを引っ張ったんですよ。走力もメンタルも圧巻でした。

 国学院大は、昨年度優勝を逃した箱根駅伝に照準を絞っているはずなんですが、それでも出雲駅伝を制したという点で強さが際立っています。

――国学院大に迫るのは。

 2位は創価大。出雲駅伝では全員が区間5位以内の成績でした。これまで留学生が強い印象だったんですが、今は日本人選手がめちゃくちゃ強いんです。石丸惇那(じゅんな)選手(4年)や小池莉希(りき)選手(3年)という実力のあるランナーがそろっていて楽しみです。

――その次は。

 駒沢大が3位と予想しています。最多優勝で、相性のいい大会だと思います。注目するのは山川拓馬選手(4年)。実は練習をしすぎてけがをしてしまうことが多い選手なんですけど、この夏は大学生活で初めてけがをせずに夏を越し、すごく調子がいいようです。昨年はアンカーで2分37秒差をはね返して3位から2位に順位を上げました。彼の調子が良ければ、優勝も狙えます。

 4位は中央大。本来の力、ポテンシャルを発揮できるかどうかにかかっています。去年は8位以内に入れずシードを逃し、今年は地区選考会を勝ち抜いての出場です。出雲駅伝の出場チーム中、5000メートル、1万メートルともチーム平均タイムがトップでした。その出雲駅伝は10位にとどまりましたが、先日取材に行った際、選手たちは「3位以内はいける」と自信に満ちた表情でした。状態はいいと思います。

――これまで挙げてもらった4チーム以降の予想は。

 青山学院大、早稲田大、帝京大、城西大の順だと思います。昨年度の箱根駅伝を制した青山学院大は調子が悪いわけではないんですが、上位にいる他のチームが強すぎるということで、この位置を予想しました。地元・長野の信州大にもがんばってもらいたいですね。