ピンチをしのぎきり、笑みを浮かべる山本(C)Getty Images 現球界の投手史上最高契約を結んだ価値をふたたび証明…

ピンチをしのぎきり、笑みを浮かべる山本(C)Getty Images

 現球界の投手史上最高契約を結んだ価値をふたたび証明した。

 現地時間10月31日に敵地で行われたブルージェイズでのワールドシリーズ第6戦で、ドジャースの山本由伸が先発登板。6回(96球)を投げ、5安打、6奪三振、1失点と好投。粘りの内容で流れを呼び込み、今ポストシーズン通算4勝目を挙げた。

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 この日も安定感を欠かなかった。立ち上がり2回をパーフェクトに抑えた山本は、3点の援護点を貰った3回裏のマウンドで、ジョージ・スプリンガーに中前適時打を打たれて1点を返されたが、後続はピシャリと封じた。

 一気に流れが傾きかけた場面を最少失点でしのいだ背番号18、以降も危なげなくブルージェイズ打線を翻弄。6回には二死無塁の局面からブラディミール・ゲレーロJr.に二塁打、そしてボー・ビシェットに四球を与えて、一打逆転のピンチを招いたが、相手5番ダルトン・バーショを146キロの鋭く落ちるスプリットで空振り三振に仕留めてお役御免となった。

 まさに歴史的なパフォーマンスが続いている。というのも、メジャーリーグのポストシーズンにおいて、3先発連続で、被安打5以下、失点1以下、与四球1以下、5奪三振以上の勝利投手は史上初の快挙なのである。無論、「勝利」は味方の援護があって成立するものだが、相手を支配している山本の投球内容は、23年12月に締結した12年総額3億2500万ドル(約495億円=当時のレート)の契約価値を存分に示していると言えよう。

 日本人エースが快投を繰り返す中、奇しくも批判に晒されているのが、元メジャーリーガーのジョシュ・レディック氏だ。山本がドジャースと契約した当初に自身のXで「なぜMLBで1球すらも投げてない男に3億2500万ドルなんて大金を払うんだ?」と異論を発信。「野球が台無しになる」という意見に「同意する」と持論を展開していたのだ。

 当時も波紋を呼んでいた投稿は、時が経ち、主にドジャースにファンによって掘り起こされ、Xを中心に批判の的となっている。そうした中でレディック氏は現在の心境を赤裸々に語ってもいる。

 ワールドシリーズが活況を呈する中で、米ポッドキャスト番組『Crush City Territory』に出演したレディック氏は、山本に対する2年前の投稿について「後悔しているとは言わない」と吐露。さらに「もしも、彼らがそれだけの大金を他の誰かに渡しても明日には俺はまた同じことを言うだろう。これはあくまで俺の意見で、SNSだからといって主張する権利はある」と訴える38歳は、こうも続けている。

「たしかに俺の意見だ。ただ、俺の見方は明らかに間違っていた。ヤマモトは驚異的な活躍を見せている。彼がここに来てから成し遂げたことは、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に、本当に素晴らしい。その点については間違いだったと認めるよ」

 そう謝罪し、山本の凄みを認めるレディック氏。だが、彼は今も続く自身への批判については「ドジャースファンの頭の中に毎日、俺がいるかって考えると嬉しくなるね」と皮肉。「彼らはあーでもない、こーでもないとツイートを送って俺を怒らせ、俺の一日を台無しにすることを楽しんでいるのさ。まぁ俺はただヒールを演じているだけだよ。別に気にしない。プロレスみたいなもんだ」と打ち明けた。

 ネット界隈も盛り上げる山本の歴史的な好投。そのパフォーマンスはまさに異次元と言えよう。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

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