駅伝の大学日本一を決める第57回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)が11月2日…

 駅伝の大学日本一を決める第57回全日本大学駅伝対校選手権大会(朝日新聞社など主催、長谷工グループ特別協賛)が11月2日に開かれる。名古屋市の熱田神宮から三重県伊勢市の伊勢神宮を結ぶ8区間106・8キロの大半を占める県内のコースで、先導を務める県警交通機動隊の白バイ隊員4人も入念に準備を進めている。

 先導する隊員は2人1組で横になって重さ300キロ、排気量1300ccの白バイを操る。

 中央分離帯側を任される隊員は前方を走る報道車両などとの距離感を意識しつつ、選手のペースに合わせた先導が求められる。歩道側を担う隊員は、観客の飛び出しに注意しつつ、中央分離帯側の隊員の走行にも目を配り、隊列が乱れないようにすることが求められる。

 県内に入る2区途中の木曽岬インターから6区中間点付近の津市中心部まで先導するのは、岩野龍士巡査長(30)と倉田知輝巡査長(31)の2人。ともに白バイ乗務歴4年7カ月の2人にとっては初めての大役だ。

 中央分離帯側を走るのが、桑名市出身の岩野さん。全日本大学駅伝を先導する白バイ隊員にあこがれて警察官になったという岩野さんは「選手たちが練習の成果を発揮できるように努めたい」と意気込む。

 歩道側を担う津市出身の倉田さんは、高校時代は野球部だった。全日本大学駅伝の先導は「全国中継もあり、三重県警の白バイ隊員にとっては『花形の仕事』。気を抜くことなく安全に選手たちを先導したい」と話す。

 6区中間地点以降を任されたのは、初挑戦の杉原歩巡査長(28)と、2年ぶり2回目の先導となる伊庭弘明巡査長(32)。ともに全国白バイ安全運転競技大会に2度の出場経験を誇る実力者だ。

 中央分離帯側を走る杉原さんは松阪市出身。幼い頃から沿道で全日本大学駅伝の選手たちを応援してきたといい、「15~20キロの低速で先導するのは難しいが、選手のペースを乱さない走りをしたい」と話す。

 津市出身で歩道側を担う伊庭さんは、選手たちはもちろん、沿道の観客の安全も確実に守りたいと考えている。「背筋を伸ばし、安定感のある先導を見せることで、子どもたちの憧れになれれば」と話している。(安田琢典)