イ・ジョンフなど多くのタレントがメジャーリーグ挑戦を決めている韓国球界。その中で新たに導入されたルールが話題となっている…

イ・ジョンフなど多くのタレントがメジャーリーグ挑戦を決めている韓国球界。その中で新たに導入されたルールが話題となっている(C)Getty Images
果たして、日本人選手にとってセカンドチャンスの場となるのか。“隣国”で導入された新たな選手登録枠が話題となっている。それは2025年の第1回理事会において韓国野球委員会(KBO)が、同国のプロ野球リーグで来季から導入を決めた「外国人選手のアジア枠」だ。
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各球団の戦力層を増やす画期的なプランと言えよう。現在、KBOリーグは1球団あたりの外国人選手枠は3人までとなっているのだが、新たにアジア野球連盟加盟国地域の選手、そしてオーストラリア国籍の選手を限定とした1枠の追加を決めた。
球団側が選手に支払う総額(契約金、年俸、出来高、移籍金など)は20万ドル(約3100万円)と定められ、大幅な戦力補強になるかは不透明ながら、より円滑な選手補強も可能となったのは間違いない。
すでにスカウトのネットワークが幅広く展開される中、関係者の間で熱視線が注がれているのが、NPB球団から戦力外となった選手や、独立リーグやアマチュア球界でドラフト指名から漏れた日本人選手の存在だ。
実際、現場の声は上々だ。韓国の日刊紙『朝鮮日報』の取材に応じたKIAタイガースの監督で、元ソフトバンクの助っ人でもあったイ・ボムホ氏は「日本には、若いのにクビになった選手が思ったよりも多く出てきた」と証言。独立リーグでプレーする有望株を含めて獲得を前向きに模索している現状を語った。
「NPBの2軍でよく投げた投手をはじめ、少し年齢が行っていても、シーズン30~40試合ぐらい投げる計算が経つ投手もいる。さらに有望株で1軍での先発の経験がある者や、独立リーグでプレーしている球速の速い選手たちもいる。日本には本当に良い選手が多い。だから、どの選手を選ぶかは逆に少し難しいと聞いている。我々は最も良い選手を連れてくるという方針を固めているが、勝利の要として活躍が期待できる選手も何人か見受けられる」
今オフのNPBで戦力外となった中には、浜口遥大や馬場皐輔のように経験豊富な投手もいれば、森木大智や宇田川優希のように特大のポテンシャルを活かしきれなかった逸材もいる。そんな行き場を失った“タレント”たちに、韓国球界ではアンテナが張られているようである。韓国メディア『SPOTV Now』は「KBOリーグ球団も1年をかけて“スカウト合戦”を実施。NPBドラフトで指名から漏れた選手や、NPB球団を戦力外となった選手たちも継続的にリストアップしている」と伝えている。
近年、野球の国際化が進む中で、革新的なルールと言えるKBOの「アジア枠」。水面下で進んでいる契約がどうなるのかを興味深く見守りたい。
[文/構成:ココカラネクスト編集部]
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