メキシコで不運な展開に苦しんだ角田(C)Getty Images 果たして、角田裕毅のレッドブルとの未来はどうなるのか。…

メキシコで不運な展開に苦しんだ角田(C)Getty Images

 果たして、角田裕毅のレッドブルとの未来はどうなるのか。今季のF1も残り4戦となる中、25歳の去就における話題は尽きない。

 現状として、「チームに貢献できる」と判断するための結果が何よりも求められている角田。去る10月26日に決勝を迎えた第20戦メキシコGPでは、11番手と低迷。レース中盤まで入賞圏内で周回を重ねていたものの、37周目のピットインでタイヤ交換作業中のジャッキアップにクルーが苦戦。致命的な12秒のタイムロスでポジションを落とす不運な結末となった。

【動画】高速レースで見せたドライビング! 角田裕毅の快走シーン

 陣営の不手際も重なり、コンスタントにポイント獲得ができずにいる角田だけに、首脳陣も評価を下しにくい状況に陥っている。実際、当初に来季構想が発表される予定となっていたメキシコGP後にはローラン・メキース代表が「ユウキは実力でもう少しポイントを稼げた」と認め、「彼は最高の週末を過ごした」と豪語した。

 すでにレッドブル陣営は早くもカタールGP(現地時間11月30日開催)までの正式発表の延期を公言。角田に加え、アイザック・ハジャー、リアム・ローソン(ともにレーシング・ブルズ)が候補とされている来季陣容は混迷を深めている。

 そうした中で、結論をにごすレッドブルにレジェンドからは苦言も飛んでいる。1997年にF1の世界王者となった往年の名ドライバーであるジャック・ビルヌーブ氏は、英衛星放送『Sky Sports』のポッドキャスト番組「F1 Show」において「私は、今のツノダに対して、なぜチームが『彼は良い週末を過ごした』と言えるのかが、全くもって理解できない」と糾弾。ポイント獲得に苦労する日本人の現状を断じた。

 以前から角田に対する厳しい意見を飛ばしていたビルヌーブ氏は、「確かにメキシコではこれまでの週末よりは良かったかもしれない。ただ、本当に“良い週末”と言えるだろうか? そうとは言えないだろ。まだまだチームメイトとかなり差があるんだよ」と強調。タイトル争いに割って入ろうとしているレッドブルのエース、マックス・フェルスタッペンとの比較論を展開した。

「彼はまだマックスに遠く及んでいないんだ。ペースの面でも、獲得ポイントの面でも、ね。そして何よりもマックスのチャンピオンシップ獲得に貢献すらできていない。それに、彼にはもう十分すぎるほどの経験がある。我々は彼の素晴らしい瞬間も目にしてきたが、ここにきて衰え始めているようにも見える」

 辛辣な意見を並べたビルヌーブ氏は「何らかの理由で、チームがツノダを過保護に守っているように見える」と指摘。来季構想の明確化を先延ばしにするレッドブル首脳陣の方針も切り捨てている。

「こういう状況になると誰もが『経験が必要』だと言うようになる。だが、本当に必要なのは”良い経験”なんだ。そうじゃないなら20年のF1経験があっても意味はない。優秀でなかったり、貢献できるんだと判断できるパフォーマンスがなければいけないんだ。現時点で十分じゃないと分かっているドライバーを起用し続けるのは、いったいなぜだ」

 アピールの機会は確実に減っている。そうした中で角田は淡々と結果で自身の可能性を示す必要がある。そうでなければ、ビルヌーブ氏のような周囲の喧騒は強まる一方となるはずだ。

[文/構成:ココカラネクスト編集部]

【関連記事】決定間近のレッドブル来季ラインナップにF1界OBが持論 囁かれる角田裕毅放出については「間違い」 リンドブラッド起用も「2027年から」と訴え

【関連記事】接触寸前だったベアマンが激怒 角田裕毅の“必死すぎる好走”に皮肉「頑張ってるのに報われない。だから無茶苦茶なリスクを冒す」

【関連記事】皇帝シューマッハの息子は「ツノダより優れてる」 元F1戦士の“身内贔屓”が波紋「ミックより酷い、いや、かなり酷いと言える」