<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:東海大高輪台10―7二松学舎大付>◇28日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王…

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:東海大高輪台10―7二松学舎大付>◇28日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 試合後、東海大高輪台の深澤 建人監督は、「感慨無量です」と言い、投手を好リードで勝利に導いた宮村 祐輝捕手(2年)は、「夢が現実になった」と、興奮気味に語った。

 東海大高輪台と二松学舎大付の一戦。大方の予想は、前年の王者・二松学舎大付の優勢であった。早稲田実、東海大菅生が初戦で敗れるなど波乱続きの今大会の中で、二松学舎大付の戦いぶりは非常に安定していた。

 この試合でも背番号11ながら主戦格の川島 連十投手(1年)が好調な立ち上がりで、東海大高輪台打線を抑える。2回表には川島の適時打などで二松学舎大付が2点を先制する。二松学舎大付はやはり強い。そう思わせる序盤の戦いであった。

 けれども東海大高輪台には、失うものはないもないという、いい意味での開き直りがあった。「このチームは能力のないところからスタートしました」と深澤監督は言う。3年生が普通にできていたことが1、2年生はできない。そこから苦労して、力を付けてきた。その過程で「精神的に強くなりました」と深澤監督は言う。

 東海大高輪台は公式戦初登板の左腕・堀田 康晴(2年)を先発に起用した。「地道に成長してきました。素材的にいいものがあります」と深澤監督は言う。

 堀田は2回表に2点を失ったものの、その後は得点を与えず試合を作る。「(二松学舎大付は)全員振れていて怖かったです。でも攻めの姿勢でリードしました」と捕手の宮村は言う。

 追加点を許さなかったことで、流れが変わる。そして一度流れが変わると、思わぬ展開になるのが、野球、特に高校野球の怖さだ。

 4回裏、東海大高輪台は、この回の先頭打者である2番・城田 晴斗内野手(2年)が四球で出塁する。すると3番・里見 愛斗外野手(1年)、4番・中川 陽輝内野手(2年)の連続安打で、1点を返す。さらに5番・高橋 海斗内野手(2年)に四球で満塁となり、6番・中原 鉄心内野手(2年)の遊ゴロはエラーで同点になった。

 二松学舎大付はほぼ毎年、投も打も高いレベルにあるが、特に守備力の高さが、強さの源泉であった。しかし東海大高輪台の猛追に、平常心でなくなりつつあった。さらに7番・遠藤 勇翔外野手(1年)の左前安打に左翼手のエラーも重なり、2人が生還し、東海大高輪台が逆転する。なおも無死二、三塁で、「とにかくゴロを打つことを意識しました」と言う8番・宮村の中前安打でさらに1点を追加する。

 ここで二松学舎大付は投手を川島から背番号1の小高 稜真(2年)に交代する。左腕の小高は球威があり、9番・堀田は三振に倒れるが、1番・栗栖 孝啓内野手(1年)のスクイズは犠打エラーになる。さらにこの回2打席目となる里見が右前安打を放ってさらに1点を追加。この回一挙7点を挙げた。7点もさることながら、3失策で失点という事実が二松学舎大付には重くのしかかる。東海大高輪台は5回裏も5番・高橋 海斗の三塁打などで1点を追加する。

 二松学舎大付も反撃に出る。6回表一死二塁から4番・早坂 健太内野手(2年)の内野安打で1点を返す。ここで東海大高輪台は投手を堀田から背番号11の右腕・小島 咲郎(2年)に交代する。四球や暴投などがあり、二死二、三塁から7番・佐南 健生捕手(2年)の左前安打で2人が還り、二松学舎大付が追い上げる。

 どちらに次の得点を入れるかが、試合の流れを大きく左右する展開になった。照明塔が点灯し、ナイターになった7回表、東海大高輪台はエースの左腕・高橋 力斗(2年)を投入する。高橋はこの回を三者凡退に抑える。

 その裏東海大高輪台は4番・中川の左前安打と2つの四球で二死満塁となる。ここで8番・宮村は左前安打を放ち、貴重な2点を追加する。「ツーアウトだったので、とにかく打ちたかったです。サードに捕られるかと思いました」と宮村は言う。

 二松学舎大付も8回表に2本の二塁打などで2点を入れて追い上げるが、9回表も先頭打者が倒れる。ここで東海大高輪台の捕手の宮村はマウンドに駆け寄り、気持ちを集中させる。そしてこの回を三者凡退に抑え、東海大高輪台が二松学舎大付を破った。これで二松学舎大付の2年連続でのセンバツ出場の可能性はなくなった。

 二松学舎大付を破った東海大高輪台であるが、深澤監督は「普通のチームです。でも一生懸命やっています」と語る。序盤の劣勢の展開でも、選手たちは声を張りあげ、盛り上げてひるむことはなかった。それが逆転につながった。準々決勝は関東第一との対戦になる。関東第一が実績で上回るのは間違いないが、東海大高輪台のこの勢いは侮れない。