<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:桜美林6―1八王子実践>◇28日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王子 今大会…

<令和7年度 秋季東京都高等学校野球大会:桜美林6―1八王子実践>◇28日◇3回戦◇スリーボンドスタジアム八王子

 今大会は打高投低の傾向があり、投手の存在があまり目立たないが、佼成学園、修徳に続き、八王子を破り勢いに乗る八王子実践相手にも好投した桜美林の身長193センチの長身のエース・古川 大耀(2年)は、今大会を代表する投手になりつつある。

 この試合で古川は、1回、2回と安打の走者を出しながらも、併殺で切り抜ける。桜美林は遊撃手で主将の鴨志田 塁(2年)を中心に守りがしっかりしているので、バックを信頼して投げている。3回表には一死後、八王子実践の9番・荒木 孝介内野手(2年)に三塁打を打たれたが、今度は1番・近藤 秀人内野手(2年)を三振、2番・櫻 泰成外野手を左飛に仕留め、得点を許さない。

 攻撃面では1回裏、四死球による無死一、二塁のチャンスで3番・鴨志田のバントは内野安打になる。津野 裕幸監督が「あれは大きかったですね」と言う、鴨志田の技術と走力による安打だった。満塁の場面で八王子実践の先発、背番号10の柴田 大翔(2年)のボークで桜美林は1点を先制する。さらに4番・中村 碧外野手(2年)の2点適時打、7番・長谷川 大遥外野手(2年)の三塁打で1点を加点し、初回に4点を刻む。長谷川は3回裏にも適時打を放ち、桜美林が試合の主導権を握る。

 好投を続けていた古川だが、6回表に2人続けて四球で出し、4番・山本 悠生内野手(2年)に中前適時打を打たれ、1点を失う。その裏桜美林は1点を追加して突き放したものの、7回表にも安打を2本打たれたところで右翼手として出場していた中村にマウンドを譲る。左腕の中村は立ち投げに近いフォームだが、7回表のピンチを切り抜け、8回、9回も無失点に抑える。「ピッチャーの経験はほとんどありません。ああいう投げ方のピッチャーはいませんが、変化球が低めに決まります」と津野監督は中村について語る。

 八王子実践も八王子を破り3回戦に進んだだけあり、上位打線は力があるうえ守備もよく、好守備で追加点を阻む場面が何度もあった。それでも序盤の得点で試合をリードした桜美林が6-1で勝利を収めた。

 7回途中で降板したものの、古川は被安打7,自責点1の好投。津野監督も古川の成長には目を細める。

 古川は中学生の時に身長が急速に伸びた。その影響もあり肘の軟骨などの故障が多く、手術をしたこともあり、実績を残すことができなかった。そのため桜美林にもスポーツ推薦で入ることができず、一般入試で入学した。それでも「指導者との距離が近く、桜美林に入って良かったです」と古川は言う。

 古川は夏までは制球難もあり、頼りなさもあったが、エースに成長してほしいと考えた津野監督は、学校での生活態度など姿勢の面を厳しく指導した。その成果でたくましく成長した古川は、一戦一戦、エースとしての風格を感じるような投手になってきた。

 桜美林は準々決勝で日野と対戦する。秋季都大会は2013年から、年によって異なるものの、準決勝、決勝戦を神宮球場で行うようになった。桜美林はまだ秋の神宮球場は経験していない。49年前に全国制覇を果たした伝統校の新たな伝統を作る戦いになる。