<令和7年度秋季近畿地区高等学校野球大会:智弁学園6-5東洋大姫路>◇27日◇準々決勝◇さとやくスタジアム 智弁学園(奈…
<令和7年度秋季近畿地区高等学校野球大会:智弁学園6-5東洋大姫路>◇27日◇準々決勝◇さとやくスタジアム
智弁学園(奈良1位)と東洋大姫路(兵庫3位)の一戦は6回表からの継続試合に。智弁学園は5対5の同点で迎えた9回裏の二死一、三塁から4番・逢坂 悠誠内野手(1年)が一塁強襲のサヨナラ打を放ち、4強進出を決めた。これで5年ぶりのセンバツ出場が濃厚となった。
25日に開始したこの試合は2回裏に智弁学園が4点を先制。エースの杉本 真滉投手(2年)も好投を見せ、5回終了時点で智弁学園が4対0とリードしていた。
しかし、5回を終えた時点で雨が強くなり、試合は一時中断。最終的に継続試合の判断がなされた。
試合が再開されたのは2日後の午後2時2分。「1日あったので、体力的には回復できていた」と杉本は6回表を三者凡退に打ち取り、順調な2度目の立ち上がりを迎えた。
4点差を追いかける展開となった東洋大姫路は2回途中からリリーフした背番号11の左腕・三上 颯真投手(2年)が2日前に続いて好投。「変化球が低めに決まっていて、左バッターのインコースを突けたのが良かったです」とスタメンに左打者が6人並ぶ智弁学園打線を抑え込んだ。
流れが変わったのは7回表、東洋大姫路は二死一、二塁から3番・峰松 紘大捕手(2年)が右中間へ2点適時打を放ち、2点差に迫る。8回表には相手の失策に乗じて3点を加えて逆転に成功。一気に形成が変わった。
それでも智弁学園は8回裏に一死一、三塁から6番・大西 蓮太郎外野手(1年)のスクイズで追いつくと、9回裏にも二死一、三塁と一打サヨナラのチャンスを作った。
ここで打席に立つのは4番の逢坂。8回表の一塁守備では内野手からの送球を2つ逸らし、逆転のきっかけを作ってしまっていた。
これ以上ない名誉挽回の大チャンス。「打たなかったら、人生終わるくらいの気持ちでいました」と並々ならぬ思いで打席に入った。
1ボール1ストライクからフルスイングした打球は痛烈な当たりとなり、一塁手のミットを弾く。二塁手も懸命にバックアップしたが、ヘッドスライディングでセーフを勝ち取り、智弁学園がサヨナラ勝ちを収めた。
「ゴチャゴチャな気持ちです」と率直な気持ちを吐露した逢坂。悔しいプレーもあったが、最後の最後で自らのミスを取り返した。
苦しい試合を2試合続けてものにした智弁学園。「気持ちが切れることはなかったですね。そこは成長したと思います。上手いこと勝ちが巡ってきたので、あと2試合できるように頑張りたい」と小坂 将商監督は選手たちの粘りを評価した。
敗れた東洋大姫路も劣勢から巻き返したことで、来春の甲子園出場に出場できる可能性が出てきた。「よく頑張ったんじゃないですかね。あっさり負けるのと何とか粘ったのは違うから、粘りを出せたと思います」と語った岡田 龍生監督。センバツのことは意識せずに夏に向けて強化に励むそうだが、この戦いぶりは選考委員に評価されるだろう。