イタリア・ミラノの現地時間7日に行われた「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」のグループBのリーグ戦で、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)とジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)が対戦。チョリッチがドナルドソンを圧倒し、4-3(2)、…

イタリア・ミラノの現地時間7日に行われた「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」のグループBのリーグ戦で、ボルナ・チョリッチ(クロアチア)とジャレッド・ドナルドソン(アメリカ)が対戦。チョリッチがドナルドソンを圧倒し、4-3(2)、4-1、4-3(5)で試合を制した。

たった1回のチャンスで試合の流れが変わる、とよく言われるが、「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」初日の第三試合は、まさにその言葉通りの試合展開となったとATPが報じている。

第1セット、ゲームカウント2-2でドナルドソンがブレークした時点では、流れはドナルドソンに向いているように見えた。しかし、セットポイントとなるデュースの場面で、チョリッチは必死にボールに食らいついてフォアで打ち返し、クロスコートの打球がラインをかすめてこのセットを奪取した。それからというものすべての流れを自分に引き込み、勝利をもぎ取った。

今大会では、選手たちは各セット終了後にヘッドセットを使用してコーチと会話ができるようになっているが、チョリッチのコーチはタイブレークで制した第1セット終了後に、バックハンドサイドにシフトするようアドバイスした。彼はこのアドバイスを忠実に守り、残りの2セットで更に攻勢を強め、レーザー光線のごとき鋭いバックハンドをダウンザラインに叩き込んで試合を支配した。一方のドナルドソンは、大会初戦のこの試合ではコーチングを上手く活用することができなかった。

新ルールの一つである時短フォーマット(1セットは4ゲーム先取)もドナルドソンに不利に働き、短い時間でチョリッチの勢いを押し戻すことができなかった。チョリッチはいきなり相手のサービスゲームをブレークすると、ものの20分で第2セットも奪取した。

ドナルドソンは、続く第3セットでなんとかタイブレークまで持ち込んだ。しかし、スコア6-5でチョリッチが放ったサーブはネットイン(新ルールではレットにならない)となり、ドナルドソンのラケットはどうにかボールを返すことしかできなかった。待ち構えていたチョリッチはあっさり打ち返し、このリーグ戦での成績を1勝0敗とした。

この日行われたシングルス4試合のうち、ストレートで勝利したのはチョリッチのみ。彼が勢いをつけて決勝トーナメントへ進むか注目だ。(テニスデイリー編集部)

※写真は「ネクストジェネレーション・ATPファイナルズ」初日第三試合に勝利したボルナ・チョリッチ

(Photo by Emilio Andreoli/Getty Images)