00年以降の天皇賞(秋)で最も人気薄の勝利は? この問いはそこまで難しくないはずで、答えは05年のヘヴンリーロマンス…
00年以降の天皇賞(秋)で最も人気薄の勝利は? この問いはそこまで難しくないはずで、答えは05年のヘヴンリーロマンスだ。では、2番目に人気がなかった馬は?となると、かなり難易度が増すのではないか。答えは11年のトーセンジョーダン。単勝33.3倍の7番人気が、鞍上のN.ピンナ騎手とともにGI初制覇となった一戦を振り返る。
この年の天皇賞(秋)の主役はブエナビスタだった。GI・5勝のディフェンディングチャンピオン。その後は勝利こそないものの、GIで2着4回と衰えなし。単勝2.8倍の1番人気に推されていた。これに続く2番人気が前哨戦の毎日王冠を含め、東京で5戦5勝のダークシャドウ。3番人気が前年の日本ダービー馬のエイシンフラッシュ。以下、ローズキングダム、アーネストリー、ペルーサまでの6頭が単勝10倍以内に推されていた。
レースはシルポートが後続を離して飛ばし、前半1000mが56秒5のハイペースをつくった。2番手以下は離れて追走。それでも結果的には前に厳しい展開になった。直線半ばでエイシンフラッシュが先頭に立ったものの、脚が続かない。かわって伸びてきたのがトゥザグローリー、トーセンジョーダンといった伏兵勢だった。残り200mでトーセンジョーダンが先頭へ。これを目標に内からダークシャドウ、外からペルーサが迫ったものの、トーセンジョーダンがN.ピンナ騎手の叱咤に応えてもうひと踏ん張り。08年の天皇賞(秋)でウオッカがマークしたコースレコードを1秒1も更新する1分56秒1の衝撃的な時計で、人馬揃ってのGI初制覇を果たしたのだった。
結果的にトーセンジョーダンはこれが最後の勝利となった。そして15年からスタッドイン。ここまで自身を超える大物は残せていないが、天皇賞(秋)で見せた一世一代の走りは多くのファンの脳裏に焼き付いているに違いない。